ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

上場した日系大企業の社内ベンチャー・新規事業一覧

スタートアップの多くの人が、大企業の中ではなかなか新規事業が生まれにくいと考えています。

blog.zerotoone.jp

しかし私自身が新卒で大手商社を選択した理由は、IPOするような子会社をゼロから複数立ち上げていたからでした。そうした組織であればサラリーマンとしてリスクを限定しながらも事業を生み出すことに関わることができ、将来的にやりたい起業のためにもなるし内部でできるのであればそもそも起業の必要性もないかもしれないと思って入社を決めました。

 

今回は大企業の中で、ゼロから立ち上げた社内ベンチャーをまとめてみたので参考にしてください。もしこのリスト以外にも知ってるものがあればぜひTwitter、コメントなどで教えてもらえるとうれしいです。

ちなみに先日、この本を読みましたが参考になりました。著者は筆王、ウェブマネーなどの事業を成功させてきた人物で、大企業向けに新規事業のコンサルタントをしているようです。

新規事業がうまくいかない理由

新規事業がうまくいかない理由

 

フィットネス事業を展開するルネサンス(親会社:大日本インキ化学工業)

フィットネス業界3位のルネサンスは1982年に創業され、2003年に上場しました。親会社は大日本インキ化学工業ですが、近年は持分比率が減少して独立色が強まっています。

創業者が会社の外部で副業として行っていた「カルチャースクール」事業が出発点で、その後、事業転換をしながら社内ベンチャーとして企画を通し、会社として設立しました。

www.recruit-ms.co.jp

 

ネット株式取引を運営するカブドットコム証券(親会社:伊藤忠商事)

カブドットコム証券は1999年に伊藤忠とマイクロソフト他の出資で設立された日本オンライン証券と三和銀行系列のイーウイング証券が合併して設立されました。2018年現在社長を務める斎藤氏は日本オンライン証券の設立を機に伊藤忠商事に入社し、システム開発に携わってきました。

kabu.com

 

事業者向けECサイト運営MonotaRO(親会社:住友商事)

MonotaROは2000年に住友商事と米国グレンジャー社の出資によりスタートした事業者向けECサイトで、創業者の一人瀬戸氏は1983年に住友商事に入社し、設立後にMonotaROの取締役として就任し、その後転籍しています。MonotaROの退任後にはLIXILグループの社長に就任し話題になりました。

style.nikkei.com

信用リスク引受のイー・ギャランティ(親会社:伊藤忠商事)

事業者向けに売掛金などの信用リスクを引き受けるサービスを展開するイー・ギャランティは2000年に伊藤忠商事の社内ベンチャーとして設立されました。社長を務める江藤氏は1998年に伊藤忠商事に入社しており、わずか2年目の若手で社内ベンチャーの設立企画を通していることになります。

参考:企業発ベンチャーは人材を育て社内を活性化させる(江藤社長インタビュー)

http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sogyo/kigyouhatsu/data/venture6_p8_p9.pdf

不動産管理クラウドを提供するプロパティデータバンク(親会社:清水建設)

不動産事業者向けに管理クラウドを提供するプロパティデータバンクは、2000年に清水建設の社内事業家制度を活用し設立された会社で、2018年に上場しています。プロパティデータバンクは経済産業省が提供する「大企業とベンチャーがWIN-WINの発展を実現するためのベストプラクティス」にも記載があり、清水建設のノウハウを核に多くの起業や業界全体に展開するビジネスモデルであるため、カーブアウトに合っていると社長が語っています。

参考:大企業とベンチャーがWIN-WINの発展を実現するためのベストプラクティス事例集

http://www.meti.go.jp/policy/economy/gijutsu_kakushin/innovation_policy/pdf/best_practice.pdf

自社パッケージ製品を提供するエヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート(親会社:NTTデータ)

エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートは1998年にNTTデータの社内ベンチャープログラムとしてスタートし、2000年に株式会社化され、2007年に上場しています。親会社であるNTTデータが7割、創業社長が3割の持ち株比率でスタートし、初年度から黒字でスタートしたと語られています。

tech.nikkeibp.co.jp

医療情報提供ポータルを運営するエムスリー(親会社:ソネット)

エムスリーは元々はソネット・エムスリーとしてソネットの子会社として2000年に設立され、2004年に上場しています。上場後も成長を続け、2018年現在では時価総額1兆円を超える規模まで成長しています。創業の経緯としてはマッキンゼーのパートナーとしてヘルスケア業界に長くかかわってきた谷村社長がソネットエンタテインメントと共同で立案した新規事業がコア事業の一つである「MR君」だったそうです。

参考:エムスリー:躍進する業界特化型ポータル事業 

http://www.waseda.jp/prj-riim/paper/RIIM-CaseNo16_SonetM3.pdf

 レディースファッションECを運営するマガシーク(親会社:伊藤忠商事)

女性向けファッションECを運営するマガシークは2000年に伊藤忠商事の社内ベンチャーとして生まれ、2003年に設立され、2006年に上場しています。雑誌に掲載された服が購入できるECとしてスタートし、小学館、集英社、講談社など大手出版会社と資本業務提携を行いながら成長してきました。

www.magaseek.co.jp

外国為替取引所運営するFXプライム(親会社:伊藤忠商事)

外国為替取引所を運営するFXプライムは2003年、伊藤忠商事の子会社として設立され、2008年に上場しました。FXプライムは元々、伊藤忠商事の為替部門を母体としており、商社の為替ディーラーが実際の業務で使う機能を元にサービスが提供されています。競合の相次ぐ参入によるスプレッドの減少、2009年にFXのレバレッジ規制などの業界の逆風をうけ、2012年にGMOグループに売却されました。

ネットで乗換案内・時刻表を提供する駅探(親会社:東芝)

駅探は元々東芝の社内ベンチャーとして発足し、2003年に設立されたものの、2007年に投資ファンドのポラリスキャピタルと共同でMBOを行い、その後2011年に上場を果たしている会社です。

japan.cnet.com

文中ではMBOした理由を、「連結子会社という位置付けでは他社との資本提携などダイナミックな動きができない」という悩みがあったことを語られています。

最後に

いろいろ調べたものの、上場までこぎつけた社内ベンチャーの多くがいわゆるインターネットバブルに湧いた2000年前後に設立された会社でした。要因としてはインターネットバブル崩壊後は大企業としてなかなか設立に前のめりになれなかったこと、そうこうしているうちにリーマン・ショックにより新規事業どころではなくなり、社内ベンチャーが減ってしまったことが関係していそうだと感じました。2018年現在は日系大企業がデジタルトランスフォーメーション、新規事業と鼻息荒く資金を投下しています。現在立ち上げられている社内ベンチャーはここで紹介した上場を経験した企業と肩を並べる存在になれるのか、今後も注目していきたいと思います。