ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

起業したいと思ってる人にオススメの本

起業して売却した経験があるため、起業の相談を受けることも多いのですが、その中でオススメの本を聞かれることが多いと思ったのでまとめておきます。

僕自身は起業する際には、短期的な急成長を求められるスタートアップだけでなく着実に長期間かけてビジネスを成長させるスモールビジネスという選択肢もありだと考えているので、スタートアップ関連の本だけでなくスモールビジネス関連の本もいくつかいれました。

ここに書き忘れてるけどオススメの本があるかもしれないので、皆さんのオススメも教えてもらえればうれしいです。

ドラゴン桜の作者が書く起業本:マネーの拳

マネーの拳はドラゴン桜の著者である三田紀房氏の起業漫画です。 元プロボクサーの主人公が今度はビジネスの世界でチャンピオンになろうと奮闘する漫画で、アパレル分野で起業し、苦難のスタートから上場まで果たすストーリーになっています。

三田紀房氏の漫画は、受験漫画であるドラゴン桜も就活漫画である銀のアンカーも投資漫画であるインベスターZも、直感には反するが正しいことが詰め込まれており、マネーの拳も商売、ビジネスの本質が名言として詰まっていると感じます。

勉強して知識を蓄えてから商売するというのは、 才能のないものの発する言葉だよ。

楽して儲けるのが本当の商売だ。苦労して儲けるなんて誰でもできる。人の2倍働けばいいだけのこと。ただがむしゃらにやればそこそこ稼げる。

「ビジネスは理詰めの世界。切羽詰まって破れかぶれの行動に出る人間は商売には向かない。」

無能な経営者は一見信用できそうな人間を欲しがる。社員も経営者の信用を得ようとする。結果、経営者の方しか向かなくなる。社長も、忠実で従順な社員達に満足する。これが会社をダメにする

「あんた・・・感情で商売してるんだよ。常に自分の願望を最優先してる。」「商売の成功には道理がある。感情を最優先すれば理屈が曲がる。理屈が曲がれば道から外れる。」「そんな商売は必ず失敗する。」

商売は自分がいかに楽な競争をするか・・・さらに・・・いかに競争をしないで済むかを考えるゲームだ

 これらの言葉の多くはスタートアップの常識としても当てはまる言葉が多く、起業やスタートアップに関する知識がある人も楽しめると思っています。

起業する人のイメージをいい意味で覆す:ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

 

この本も個人的に好きな本の一つで多くの人に勧めています。書評も下記で書いています。

blog.zerotoone.jp

この本も上記で紹介した三田紀房氏の本と同様に、直感的・常識的には一見正しいが実は違うことを紹介しており、天の邪鬼な自分はそこが気に入っているポイントかもしれません。例えば起業家といえばリスクが大好きでリスク許容度の高い人が起業家になると信じられていますが、この本では実は起業家はリスクが嫌いだということをデータから明らかにしようとしています。

アメリカの偉大な起業家もいきなりリスクを取ったわけではなく、サイドプロジェクト的に本業とは別に進めていたプロダクトが思いの外あたりそちらに専念するようになったという話が実例を元に書かれています。

また起業する上では優れたアイディア1つが大事だと思わているけど、実は成功の秘訣は大量のアイディアをカタチにすることだと書かれています。シェイクスピアやベートベンなど後世に残る天才たちも多くの名作の裏に多くの駄作を生み出していたそうです。起業で成功している人も実は多くのプロジェクトを検討して、実際にリリースしているケースは少なくありません。nanapiのけんすうさんも大量に出しているものの当たりは少ないということを語っています。

 

けんすう 一方で、むやみやたらに行動していれば、失敗例はめちゃくちゃ多くなるけど、失敗ってみんな覚えていないのでリスクはない。

尾原 特にネットは失敗のコストが低いから、何度でも失敗できる。

けんすう ぼくも全然当てていないです。そもそも打率が超低いですから。でも失敗したサービスってほとんど誰も知らないので、あまり困らない。

尾原 それはたくさんのサービスをつくりすぎだからだけど(笑)。上手な失敗のしかたみたいなことで心がけていることはありますか?

けんすう ウソをつかないとか、誠実にやることの価値がすごく上がっているので、そこを押さえておくと、だいたいの失敗は許されるというのはあると思うんですね。常に相手のため、誰かのために誠実にがんばる、というのは意識しています。

diamond.jp 

直感に反するスタートアップ的考え方の集大成:逆説のスタートアップ思考

逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ 578)

逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ 578)

 

プロダクトづくりにおいてはこの逆説のスタートアップ思考が非常に参考になります。書いてて思ったのですが個人的に、「常識的に正しいと思われているけど真実は別にある」的な本や部分が好きだなと改めて感じました。逆説志向は新しいサービスを生み出す上で役立っているのかもしれないなと思います。

この本に関しても下記で書評を書いています。

blog.zerotoone.jp

詳しくは上記のブログと実際に購入して読んでもらいたいのですが、最近自分が腹落ちした一節の一つが、「スケールしないことを長く続ける」ということです。スケールを焦ってマーケティングでのバズを狙ったり、製品ができた直後にセールスでガンガン売ろうとするのは悪手である可能性が高いということです。僕自身が最近見たプロダクトでも、ユーザーにまだ十分愛されたものではないのに、リリースは派手にやり最初はユーザーがつくもののすぐにユーザーが飽きて離脱してしまったプロダクトは少なくありません。

また作り込みが甘いにも関わらず、製品が完成した段階でガンガン営業をかけてしまい結果としてクレームの嵐と高止まりしたままの離脱率でスケールしないB向け製品もいくつか見ています。

直感に反するけど成功のために必要なことを続けるのは難しいものの、成功するためにはこうした長期スパンでの取り組みが不可欠だと改めて感じています。

成長し続けるだけが起業のカタチではない:小さなチーム、大きな仕事

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 21人 クリック: 325回
  • この商品を含むブログ (37件) を見る
 

最近起業したいと相談を受ける人の多くが、起業というのはベンチャーキャピタルから資金調達を行い、リリースを派手にやり、世間から注目を受けるプロダクトを作ることだと考えている人が少なくないように思います。

この本も書評を書いているので詳しくは下記を読んでもらえればと思います。

blog.zerotoone.jp

この本にもある通り、スタートアップというのは起業の一つの形態にすぎません。そもそも多くの顧客は自分たちが使う製品がイケてるスタートアップが提供しているものなのか、大企業が提供しているものなのかそこまでこだわりません。ユーザーに価値を提供することができればどのような企業形態でもよく、自分が選択した領域とサービスがスタートアップが相性がいいのかスモールビジネスが相性がいいのかよく考える必要があります。個人的にはある程度どこに資金を投下すればスケールするのか見えるまでは自己資金で少数のユーザーに愛されるプロダクトを作るべきで、その後資金調達をするかどうかは自分が開発したプロダクトが属する領域の成長性、成長スピード、参入障壁などの観点からスピードが重要な領域であれば資金調達をして一気に勝負を決め、そうでないなら自己資金で小さく勝つのがいいのかなと考えています。

 

個人事業に近い中小企業も起業である: 僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語

僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード)
 

有名ブロガーICHIROYAさんの2冊目の書籍で一冊目は下記です。

僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと

僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと

 

こちらも上記の小さなチーム、大きな仕事と同じくスモールビジネスに属する方の本ですが、事業の立ち上げについて生々しく書かれていて参考になります。このようにスモールビジネスを展開されている方でも最初は店舗を借りて大きく勝負しようかと考えていたことなどリアルな起業の実態も垣間見れるのがよいと思っています。

 

スタートアップ的ビジネスの始め方が網羅されている:起業の科学 スタートアップサイエンス

起業の科学  スタートアップサイエンス

起業の科学 スタートアップサイエンス

 

起業の科学は最近出版された本ですが、近年のスタートアップのトレンドおよび、そこから導き出される事業の作り方について体系的、網羅的にまとまっている点がよいと思います。また著者がベンチャーキャピタル出身のため、多くのスタートアップや起業にあこがれているだけでなかなか行動に移せない人と出会ってるのか、辛辣な言葉もところどころにあり面白かったです。

手順やり方や考え方のインストールはこの本を読むといいと思うものの、これを理解できたり共感できるのは自分自身がゼロからプロダクトを作ってそこそこのスケールまで持っていけたからかもしれないというのは感じています。人間、経験したことでなけれ本当に心から腹落ちするのは難しいからです。なのでこれからはじめての起業をする人はざっと全体を読んで、実際に手を動かす中で時々参照してみるという使い方がよいかもしれません。

資金調達まわりの知識が全てわかるようになる:起業のファイナンス

起業のファイナンス増補改訂版

起業のファイナンス増補改訂版

 

スタートアップで資金調達をする人は必ず読んだほうがいい名著です。一方で内容は結構ファイナンスの難しい部分を扱うため、最初から実感値を持って理解するのは難しいかもしれません。僕らも起業するときには確かに読んだはずなのにセオリーから外れた株主構成にしたりと、読んではいて知ってはいるものの、実務として活かせないという状態だったなと思います。この本も上記の起業の科学同様にざっと一通り読んで、手元においておき、実際に資金調達が必要になりそうなときに読んでみるのがいいかもしれません。

最後に

なんだかもっとオススメの本があったような気がするものの、自宅の本棚とKindleに取り敢えずあった中でオススメのものを紹介しました。これも必須でしょうというものがあれば紹介してください。

一方で冒頭のマネーの拳の名言でもあった通り、「勉強して知識を蓄えてから商売するというのは、 才能のないものの発する言葉だよ。」なので、走りながら考える、本で情報収集をするだけに満足しないことが起業する上では一番大事かなと思います。

 

日系大企業はなぜ1億円の予算があっても新規事業を生み出せないのか

最近こんなつぶやきをしました。

大企業の新規事業開発を行う部署の知人が、1億円の予算があるものの何をしていいかわからないので、コンサルにまるっと投げようかと話していたのでそれをつぶやいたら結構反応がありました。多くの大企業が同じようなことを考えているのではないかと思い、考えてみたいと思います。

新規事業開発におけるスタートアップと大企業の比較

新規事業開発におけるスタートアップと大企業の違いについて考えてみると下記が挙げられます。

1.小さく始めて大きく育てるスタートアップと最初から大きく始める大企業

多くのスタートアップは小さく始めます。MVP(Minimum Valuable Product)を使って本当に顧客のニーズがあるのか検証を行い、顧客ニーズがあることがわかったら、市場がどの程度あるのか検証し、など細かいステップに分けて新規事業を一つずつ前に進めます。プロダクトがない状態のスタートアップは調達する金額も少なく、数百万円程度で仮説検証するケースがほとんどです。一つの仮説が検証できたら次の調達という形で事業を小さく初めて徐々に大きく育てていくのがスタートアップの事業開発の基本です。

一方で大企業は最初からある程度大きな絵を書いて、稟議書を書いて事業の承認をもらわないとそもそも新規事業をスタートすることができないことがほとんどです。顧客ニーズがあるか検証しないまま、キレイなパワーポイントでバラ色の未来を描いて、1億円程度の大きな予算を獲得することが大企業の新規事業のスタートになりがちではないでしょうか。 

2.仮説検証サイクルを内製化するスタートアップと外注依存の大企業

2000年前後の営業職が強かったベンチャー企業とは異なり、最近のスタートアップ企業でエンジニアを採用していないのは稀なことで、自社内で開発を行い、仮説検証サイクルを回しているでしょう。社内で仮説を検証することができるので、高速に様々な仮説を検証することで事業の方向性を考えることができます。

大企業は前述の通り、最初から大きな予算を取りに行き、外注先に発注を行う形で新規事業の開発を行うケースがほとんどです。なのでそもそも仮説検証する機能を社内に持たず、開発それ自体を外部に依存しています。当然、細かな仕様の変更はできても、仮説検証に基いて事業の方向性を変更することができません。

3.チームを承認するスタートアップと事業を承認する大企業

スタートアップは事業を別のものに転換するピボットすることが前提としてあり、スタートアップに投資する投資家も事業内容にももちろん興味があるものの、特に事業が生まれる初期段階では、基本的に組織やチームの重要性を高く見ています。

VCの判断基準の中でも、経営チームは大きなウェイトを占めています。直接チームを印象づけるという意味で、意志決定プロセスの中で一番重要なステップとも言えます。

(中略)

スタートアップの世界は、環境変化がはやく、不確実性も高くなっています。そんな世界に、正しい答えなどありません。ここでは「計画の正しさ」「受け答えの正しさ」ではなく、「いかにロジカルに環境を分析し、戦略を考えられているか」、「環境が変化したときに、再現性をもって戦略を再構築できるか」が注目されます。

thefirstpenguin.jp

スタートアップでは多くの会社が最初の事業からは全然違う領域にピボットすることで成功を収めています。

一方で大企業では、チームを承認することはなく、あくまで事業を承認しているので、方向性を転換するのであれば再度、方向性の転換の承認を得る必要があり、ピボットを難しくしており、その分成功する角度も低くなってしまっているように思います。

 

4.10年以内に売上10億円を目指すスタートアップと短期間に売上・利益を求める大企業

IPOを目指すスタートアップというと急成長が印象的ですが、IPOしているスタートアップを調べてみると、10年以内に10億円程度の売上を目指すのが標準的な成長曲線のように思われます。この成長に資金を多い時には数十億円突っ込めるのがスタートアップの強みと言えます。

careerdb.jp

一方で大企業では、10年で10億円の売上だと本当に物足りなく感じて、とても稟議の承認がおりないのではないでしょうか。3年で純利益ベースで投資金額が回収できないとゴーサインがでない会社も多いと思われます。

新規事業の成果に対してはスタートアップよりも大企業の方が時間軸が短く、そして大きなリターンを求めてしまうがゆえに中々新しい事業に踏み出せないと考えられます。

5.使える予算が実は大きいスタートアップと予算は意外と少ない大企業

過去にこんなの書いてますが、仮説検証を追えて、成長したスタートアップはつぎ込める金額が大企業よりも全然多かったりします。

大企業というと資金が豊富にあり、新規事業にも湯水のようにキャッシュをつぎ込めると深く考えずに思い込んでしまっている人は少なくありません。ですが実際にはうまくいくのかわからない新規事業にそこまで資金を投下することはできず、対応が遅れることがままあるといえます。

具体的な数字で説明すると、クラシルは今回調達した30億円をすべて人員採用や広告費につぎ込むでしょうが、クックパッドは30億円の資金をレシピ動画の領域に簡単には突っ込めません。クックパッドも大きい会社ではありますが、2017年5月現在の現預金は170億円、2016年度の営業利益も50億円レベルです。そんな中で30億円を、伸びてるけど成功するかわからないレシピ動画市場に突っ込むにはかなり勇気のいる経営判断が必要になります。しかも30億円は攻めの投資というよりも、迫り来るクラシルを撃退するための守りの投資なので、余計に判断が難しくなると思っています。

blog.zerotoone.jp

 

10億円以上の大型調達でもスタートアップであればその金額を全て人材採用や広告宣伝費に投下することができます。

大企業でも成功している事業であれば予算をいくらでも突っ込むことはできますが、まだ成功するかわからない新規事業にはそこまで予算をつぎ込めないケースも多いのではないでしょうか。

大企業内に新規事業のチャンスは山程ある

ここまで大企業内で新規事業が生まれない理由についてスタートアップとの比較で見てきましたが、大企業は新規事業の宝庫です。最近ではネットだけで完結するビジネスの余白が小さくなり、スタートアップも日系大企業が主戦場とする古い業界を変化させる方向に大きくシフトしてきています。

特にSaaSビジネスでは、大企業出身の経営者の方が活躍しており、2018年のB Dash Camp優秀のカケハシは薬局薬剤師向けのSaaSビジネスで、武田薬品出身の人が立ち上げた会社です。他にも建設会社、商社など業界のインサイダーと言える人がSaaSの領域でスタートアップを立ち上げています。

jp.techcrunch.com

 

大企業は豊富な事業チャンスを活かせる組織に変化できるか 

古いと言われる業界の元社員が社内では新規事業でできなかったものを社外に飛び出して起業しているのが現在のトレンドですが、大企業からすると優秀な人材だけでなく、社内にある事業チャンスを社外に流出してしまっている状況だと言えます。

このトレンドが本格化する前に大企業は事業チャンスを新規事業として形にすることのできる組織に変わることはできるのでしょうか。社内で新規事業をやる場合には、上記にあげたようなスタートアップの違いに加えて、優秀な仲間を集めることができるのか、スタートアップの人たちよりも高いモチベーションで事業立ち上げができるインセンティブ構造を構築できるのかなど様々な問題が考えられますが、そういった問題一つ一つに向き合う大企業が一つでも多く出てくるとより多くの大きな社会課題が解決されるように思います。

僕が起業した時に提供したかった価値と作りたかった未来

2017年9月末を持って、6年間代表を勤めた会社の代表を退任しました。今後は取締役として後任育成のために残りますが、また新たに会社を立ち上げようと思っています。

今日は6年間で成し遂げたかったこと、実現したかったことについて振り返ってちょっとしたポエムでも書こうかと思います。

合理的に判断して起業するのがよいとは思うけど

僕自身は起業家界隈では目線が低く、「ザッカーバーグのfacebookのように世界を変えるプロダクトが作りたい」、「ジョブズのスピーチに感動して世界を目指して起業する」みたいな意識の高さは持っていません。どちらかと言えば、リスクを最小限に抑えながら、サラリーマンでは得られないリターンを得るための起業や自分が実現したい生き方のための起業という意識が強いです。

blog.zerotoone.jp

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一方でたまに起業の相談を受けたり、既に起業してる怪しい感じの起業家と話をしていると、全然ユーザーのこと考えておらず違和感を感じることも少なくありません。彼らは提供してる価値には興味がなく、自分がいかに楽して儲けるかしか考えていないようで、話していても面白くないと感じてしまいます。

僕自身は世界を大々的に変えたり、世の中のほとんどの人が使ってるような有名サービスを作るというほど意識は高くなくてもいいけど、限られた人が泣いて喜ぶサービスを作るべきだと思ってます。

僕が採用支援事業で起業して提供したかった価値と作りたかった未来

先日、三菱商事に勤める同期ぐらいの人とバーベキューした時に、僕がやってる新卒向けの採用支援事業の話になったんですよ。その時に、三菱商事に勤める方が

「僕の1つ上の先輩に入社時の評価がめちゃくちゃ高かった慶應の先輩がいて、社内の部長や課長にも、「彼のエントリーシートは素晴らしかった」と言われてる人がいるんですよ。その先輩にエントリーシートかなり頑張って書いたんですか?って聞いたら、「そんなの伝統的に慶應の先輩から受け継いだのをそのまんま書いただけだよ」って笑いながら話してたんですよね」

と話してて、これが僕が変えたかった未来の一つだったんだよなと改めて思いました。

この話に出てくる慶應の三菱商事の先輩や僕らが就職活動をした2006年とか2007年ってまだまだ就職活動に関する情報はクローズドな状況でした。エントリーシートもどうやって書いたらいいのかわからずにOB訪問して聞くか、今も続く「絶対内定シリーズ」のエントリーシート編ぐらいしか情報がありませんでした。

絶対内定2019 エントリーシート・履歴書

絶対内定2019 エントリーシート・履歴書

 

僕自身、地方から上京して慶應義塾大学に入り、サークルも あまり就職活動実績が芳しいところではなく情報を得るのにかなり苦労しました。

一方で、先程の三菱商事の慶應の先輩のように、クローズドなコミュニティで共有されたオトクな情報でスイスイと就職活動をうまくいかせてしまう人もいました。もちろんエントリーシートがすごいだけで突破できるほど甘いものではないので、面接やその他実績も優れていたとは思いますが、こういう状況はよくないんだろうなと起業するときから思っていました。実際にユーザーも企業が発信する企業にとって都合のいい情報ではなく、自分の就職に実際に役立つ情報を欲しがっていました。だからこそ内定者のエントリーシートを多数掲載し、就職活動に関する情報をオープンに提供したサイトだった僕らのサービスに初年度から2万人もの会員登録があったのだと思います。

今考えると、「ちょっとした情報の差やテクニックの差で人生を大きく左右する就職活動に大きな影響が出てしまう」という現状を、「就職活動に関する情報をオープンにすることで学生本来の実力や実績が評価される」ような未来に貢献したいと思っていたのかもしれないなと思います。

最後に

僕らが起業した2011年から6年が経ち、今では僕らが立ち上げた会社以外にも多くの会社が内定者のエントリーシートを掲載しており、情報はかなりオープンになってきました。一方で情報がオープンになりすぎたために、「学生が同じことばかりエントリーシートに書いたり、話すようになって選考が難しくなってる」という企業側の悩みも浮かび上がってきました。

一つのサービスやプロダクトが全ての課題を解決することはできません。結局、時代が変われば人々が直面する悩みや課題が変わるので、それを解決するサービスを生み出す起業家のニーズはいつまでもなくなりません。自分の身の回りで、困っている人がいてそれを解決するアイディアや方法が知っている人が気軽にサービスを作る未来が来るともっともっと社会はよくなるんじゃないかなと思ってます。

「既にある」サービスで成功するための3つのアプローチ

最近は新規事業の開発、お手伝いしてくれる人との面談、子育てなどがあり、ブログ更新が途絶えてしまいました。起業の相談を受けて、アイディア出しをしていると「それって既にありますよね」ってところで思考を止めてしまうケースが結構あってもったいないと思っています。

このつぶやきの通り、世界的に成功しているサービスも、「世界初の〜」だったわけではなく、既にあるサービスに極めてよく似たものだったりします。今回は「既にある」を超えて成功した3つのアプローチについてメモとしてまとめておきます。

 

1.技術力でよりよいものを作る

今では大多数の人がgoogleの検索エンジンを利用していますが、googleも世界初の検索エンジンだったわけではありません。

www.seojapan.com

googleが検索エンジンを作ろうとした時には既に、yahoo、Excite、infoseekなど既に成功を収めた企業が検索エンジンを提供していました。これらの企業はユーザーが最初に訪れるニュースなどを配置したポータルサイトを提供しており、その機能の一部として「検索窓」を提供していました。余談ですが、僕が中学生の時に初めてインターネットに触り、Googleにアクセスした時は検索窓しかなくて、「ニュースないじゃん」と思ったのを覚えています。

googleはこれらの「既にある」検索エンジンに対して、技術力でよりよいものを作ることで着実にシェアを奪っていきました。

 

2.ターゲットを変える

facebookはなお成長を続けていますが、facebookも世界初のSNSだったわけではなく、friendstarとMyspaceが先行していました。中でもMyspaceの勢いが強く、wikipediaによると2005年時点ではMyspaceのPVがGoogleのPVを上回っていたとのことです。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス - Wikipedia

facebookは先行するMyspaceなど他のSNSに対して、「ターゲットを変える」ことで小さな市場を独占し、その領土を拡大することで成功したと言われています。有名な話ですがfacebookは当初、ハーバード大学の学生限定のSNSでその後、ボストン地域のアイビーリーグの大学、スタンフォード大学へと対象を拡大することでSNSとしての地位を高めていきました。その後の歴史については皆さんが知っているとおりです。

 

3.プラットフォームチェンジを利用する

プラットフォームが変わる時は大きなビジネスチャンスであり、これを利用することで成功した事例の一つがメルカリだといえます。個人間のCtoCのビジネスとしては、既にヤフーオークションが先行しており、多くの人が利用していました。一方でヤフーオークションはPCに最適化されたものでしたが、メルカリが生まれた2013年にはスマホの普及率は60%を超えており、多くの人がスマホ経由でインターネットに接続していました。

 

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画像引用:総務省|平成27年版 情報通信白書|インターネットの普及状況

プラットフォームが変わるタイミングで、対象となるプラットフォームに最適化することで先行事例に勝つことができるということを、メルカリ創業者の山田さんは強く意識しているように思います。

PCだとヤフーが勝者で、もう絶対に誰も勝てなかった。これがスマホっていう新しいデバイスの上だったら、C2Cをやることで全然違ったプラットフォームが作れるかなと思うんです。

ユーザーのスマートフォンのホーム画面を取れるか、自社アプリのアイコンを置いてもらうことができるかというのは重要です。枠数が決まったホーム画面ですが、いったんそこにおいてもらうことができれば、そこからいろんなサービスが展開できます。 

hrnabi.com

先行する大企業を恐れない

いずれの事例も既に大きな成功を収めた企業がある中で後発ながらも大きな成功を収めた事例になります。下記のブログエントリーでも書きましたが、大企業といっても、新規事業に潤沢に予算も人もつぎ込めるわけではなく、後発の企業を潰すためだけに全力は尽くせません。

blog.zerotoone.jp

もし自分なりにニーズを掴み、サービスとしていけるかもと感じたのであれば先行する大企業を恐れずに、上記3つのどのアプローチに当てはまるのか、まずは考えてみるといいのかなと思います。もちろん考えた末にやっぱり先行する企業と戦うのは難しいと考えるのであればそれは大事な決断といえます。重要なのは、思いついたアイディアに対して「既にあるから」と思考を停止するのではなく、一歩踏み込んで考えることができるかどうかです。

最後に

多くの人がサービスを考える時に、先行する事例をみて「既にあるからな〜」とせっかく面白い発想をしているのに考えるのを辞めてしまうのは非常にもったいないと感じています。多くのサービスは「既にあるもの」を「少し」変えたケースが少なくありません。その「少し」の差が上記で見てきたように大きな差になるので、ぜひアイディアを思いついたら一歩踏み込んで考えるというのを実践してほしいなと思います。

過去のB Dash Campで優勝したスタートアップまとめ

 以前、ランチさせていただき、その後「元商社マン×スタートアップNight」でもご一緒させていただいたサークルインの佐藤さんがB Dash Campのピッチアリーナで優勝しました。おめでとうございます。

thebridge.jp

これはご一緒させていただいたイベントのレポートブログ。

absorbed-in.com

ピッチイベントなんかはスタートアップ周りに興味のある僕自身もよく見ているのですが、過去に優勝した企業がどうなったのかよく覚えてなかったりします。今回はB Dash Campで過去に優勝した企業についてまとめて備忘録として残しておきたいと思います。ちなみに2012年のB Dash Campだけ検索しても見つけられませんでした。ご存知の方はぜひ教えていただけると助かります。

B Dash Camp 2017 Spring in Fukuoka優勝 WAmazing

2017年3月に開催されたB Dash Campのピッチアリーナで優勝したのは訪日観光客向けにタクシー配車、ツアー・アクティビティの予約などを提供するWAmazingです。

jp.techcrunch.com

2017年の優勝なので資金調達やExitなどの目立った動きはありませんが、B Dash Camp優勝後に元mixiの朝倉さんとコロプラの千葉さんがアドバイザーに就任したり、日経産業新聞にて代表の方が連載をスタートさせたり活発に事業を展開していそうです。

info.wamazing.jp

info.wamazing.jp

 

B Dash Camp 2016 Autumn in Sapporo優勝 Simgo

2016年10月に開催されたB Dash Campで優勝したのは、SIMカードを仮想化するソリューションを提供するSimgoです。

jp.techcrunch.com

シンガポールに拠点があるため、なかなか情報が入らないですが、2017年6月には販売代理店と提携し、日本市場に進出しているようです。

thebridge.jp

 

B Dash Camp 2016 Spring Fukuoka優勝 SmartHR(旧社名:KUFU)

2016年3月に開催されたB Dash Campで優勝したのは労務管理のクラウドサービスを運営するSmartHRです。

jp.techcrunch.com

SmartHRはB Dash Camp優勝後の2016年8月に5億円の資金調達を行っています。その後も順調に事業を伸ばし、2017年6月には導入企業が5000社を突破したと発表しています。ざっくり料金プランから月商を換算すると、5000社が3980円/月のSMALLプランを導入しているとしても、5000×3980円で約2000万円/月の売上になります。リリースを見ると、数千人の従業員を抱える企業向けの導入も決まっているとのことなので、もっと売上はたっている可能性もあります。

jp.techcrunch.com

 

 

B Dash Camp 2015 Fall in Kyoto優勝 Repro

2015年9月に開催されたB Dash Campで優勝したのはモバイルアプリの分析・マーケティングツールを提供するReproです。

thebridge.jp

ReproもB Dash Campの半年後の2016年3月に3億円の資金調達を行い、調達したお金で米国進出を行うなど事業展開を加速させています。

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka優勝 ヤマップ

2015年4月に開催されたB Dash Campで優勝したのは山登りの際に役立つ情報を届けるアプリを提供するヤマップです。

thebridge.jp

ヤマップもその後2016年3月に1.7億円の資金調達を行っています。

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2014 Summer優勝 スペースマーケット

2014年7月に開催されたピッチアリーナで優勝したのは会議室やセミナー会場として利用できる物件の空きスペースのマッチングサイトを運営するスペースマーケットです。

jp.techcrunch.com

スペースマーケットも2016年8月に4億円の資金調達を実施しています。ビジネス面では2016年8月の下記の記事ではスペース数が8500箇所とありましたが、2017年8月現在のサイトを見るとスペース数が7800件程度と若干減少しているのはちょっとだけ気になりました。スペース数を闇雲に増やすのではなく、マッチング頻度と稼働率を高める方向に舵を切っていると理解できなくもないですが、重要な指標の一つとかんがえられる登録スペース数の減少は少しだけ気になります。

jp.techcrunch.com

B Dash Camp 2013 Fall in Osaka優勝 KAIZEN Platform

2013年10月開催で優勝したのはWebサイトのUI、UXデザインなどのABテストを提供するKAIZEN Platformです。

japan.cnet.com

jp.techcrunch.com

KAIZEN Platformは2013年のピッチ優勝後、2014年に5億円、2016年に9.5億円の資金調達を行っています。B Dash Campのピッチ優勝企業の中でも巨額の調達を行い、大きく事業を伸ばそうとしているようです。

kaizenplatform.com

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2011 Fall in Nagano優勝 ザワット

B Dash Camp2011で優勝したのは当時はWishScopeという「○○が欲しい」「○○を手伝ってほしい」といったお願いをもつユーザー(Wisher)と、それが実現可能なユーザー(Hero)をマッチングさせる個人広告コミュニティを運営していたザワットです。

お知らせ/2011年10月1日 - ザワット株式会社 - Zawatt Inc.

ザワットはその後WishScopeで得たCtoCのノウハウを元にピボットを行い、中古ブランド品に特化したフリマアプリ「スマオク」を2013年から展開し、2017年2月にメルカリに買収されました。買収金額は非公開ですが、直近の資金調達が2.5億円ということから15%の拠出と考えるとバリエーションは16億円なので、ざっくり20億円ぐらいでの買収かなーという印象です。(登記簿謄本みてないので正確なバリエーションではなくざっくり計算です。)

jp.techcrunch.com

今回ご紹介した中では唯一のExit案件となりました。

最後に

基本的にブログ書く前の予想通り、資金調達を行った企業はその後順調に資金調達を行い、事業の拡大を行っていました。一方でB Dash Campの開催から年数がそこまで経過していないこともあり、優勝者の中でIPOもしくはM&AでExitできているのは1件しかなかったのは予想外でした。大きく事業を育てようと赤字を掘っているのであれば全然問題ないのですが、ピッチに優勝したために強気のバリエーションで資金調達を行い、出口が狭まってしまっていると危険だなとも思いました。(小心者並の感想)

いずれにせよ、今回優勝されたサークルインの佐藤さんは僕が個人的な知り合いかつ同じ総合商社出身の起業家という点からも勝手に応援してます!

「人生の勝算」書評、価値観の違うDeNA前田さんに共感したところ

DeNAの前田さんは僕らが起業してもがき苦しんでいた2014年にはDeNA創業者の南場智子が口説き落とした男、外資系金融からの華麗なる転身などのキーワードで、既にこのような記事が出回るなど、僕らとは違いかなり注目されていたのを覚えています。(もがき苦しんでる最中だったため、軽く嫉妬したような気がします笑)

careerhack.en-japan.com

そんな前田さんが初の著書を出版するということで手にとって読んでみたので、その感想というか共感したところを整理しておきたいと思います。 

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)

 

考え方が全然違うなと感じた部分

最初に前田さんと考え方が全然違うと感じた点について書きたいと思います。根本的な本質部分はだいぶ違う価値観を持ってるのかもしれないなーと思っています。

違う点①人生を仕事に一極集中で注ぎたいかどうか

前田さんは常に目の前のことに全力で全てのエネルギーを注ぐタイプのように感じました。例えば、外資系投資銀行で働いている時のエピソードでこんなものがあります。

僕は、入社以来、早朝出社を続けました。僕が会社に着くのは朝の4時半〜5時頃でした。

(中略)

新卒1年目の睡眠時間は2〜3時間だったと思います。起きている時間はすべて仕事に費やしている状態でした。とにかく持っているエネルギーを全部、仕事に注ごうと決めました。前の夜、どんなに遅くまで働いていても絶対に朝5時にはデスクにいる。それも手伝ってか、仕事の成績が出る前から、先輩方から面白上がってもらえていたと思います。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕も新入社員の頃や起業したばかりの頃はこういったライフスタイルや働き方に憧れた時期もありましたが、一方で自分にはできないなと思っています。特に子供が生まれてからは自分の全てを仕事にだけ注ぎ込む人生は違うと感じてきています。仕事、家庭、趣味などの交友関係のバランスを保ちたいと考えるようになりました。というよりこれだけ仕事に注ぎ込める人の方が少ないし、こうした人しか成功できないのであれば起業を志す人が減ってしまうとも感じています。

仕事も家庭もバランス良く成果を追求して満足した生活をしたいというのが今の僕の正直な気持ちです。

違う点②人生に対する焦り

仕事に時間をどれだけ注ぎたいのかにも直結する問題ではあると思いますが、本を読んでいて全体的に前田さんの「焦り」を強く感じました。実際に文中にもこのような記述があります。

常に、焦っています。お前は、いつも何かに追われているようだ、とも言われます。ここまで、仕事における成果と、その裏側にあったエッセンスの話をたくさんしてきましたが、僕自身、UBS時代を含め、大きな仕事をいくつかする中で、心から満足できたことは一度もないです。

僕自身は特に売却してからはもう少し人生に対してのんびり構えています。もちろん焦りはありますし、早めに結果を出したい気持ちもある一方で、「人生自体はたぶん何とかなるからどの分野に注力するか、自分が楽しいと感じる分野と稼げる分野を中長期的に一致させよう」という気持ちが今は強いです。その意味では焦って何かを考えるよりはじっくりと人生を見つめ直す時期なのかと思っています。

対象的な価値観を持っていると思う前田さんですが、共感するところも非常に多く、本書は楽しんで読めました。ここから本題の共感したところについて書いていきたいと思います。

自分の価値観の深掘りが決断する上では重要だということ

前田さんは家族を大事にすると決めたお兄さんに対して、自分は「仕事に狂う」と決めていると本著で書いた上で、人生の指針の重要性について下記のように書いています。

価値観の深掘りおよび言語化ができていない状態で、給料がいいから、休みが多いから、何となく楽そうだから・・・など、表層的に見えている要素でのみ判断した意思決定は、どこかで公開を引き起こす可能性が高いと思っています。

(中略)

幸福の価値観は人それぞれですから、どちらが上も下もありません。最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。

人生の勝算 (NewsPicks)より

 この部分は僕自身も強く共感しており、就職、転職や起業など含めて自分自身の価値観と向かい合うことは良質な決定をする上では非常に大事なことだと感じています。僕としては特に「成功した上で手に入れたいものは何か」ということに着目することが大事だと考えていて下記のようなブログを最近書きました。

blog.zerotoone.jp

僕としては成功したら好きな時に好きな人と好きなことをする「自由」というものに高い価値を感じており、これを手に入れたいというのが起業した一番の理由と言えるかもしれません。この部分が前述の前田さんとの価値観の違いになるかなと思いながら、「自分が大切にしている価値観と向き合うことの重要性」については深く共感しました。

電話営業などの愚直などぶ板営業も厭わない姿勢

インターネット系のスタートアップ企業では電話営業を下に見るというか、電話して案件を取るなんてダサいしやりたくないと考えている人が少なくないようです。いきなり電話するのは知り合いでも失礼なことだということでこんなことがネット上で話題になったりしました。

www.j-cast.com

一方で今を輝くネットサービスを作り上げている前田さんは、電話営業などの泥臭いドブ板営業もいとわないスタイルで提携先を増やしたそうです。

 電話営業も並行して欠かさず行いました。毎日数え切れない数の芸能事務所に、コールドコールを続けました。

(中略)

こうして、徐々に、でも確実に、初期のどぶ板営業戦法が、実を結びました。足と時間を使った地道な営業活動は、一見非効率に見えるかもしれませんが、何も強みを持たない段階においては、むしろ最も必要な作業であると我々は見極めました。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕らも立ち上げ当初からユーザー向けのどぶ板営業も、企業向けのどぶ板営業も両方重視してやってきたように思います。ユーザー向けには地道にセミナーを開催したり大学周りをして認知を高めて、企業向けには担当者の名前も知らない中で、受付の方に丁寧に説明して取り次いでもらうなんてことを地道にやっていました。地道にやることが全てではないけれども、成功したい、成果を出したいのであれば、スマートな方法だけにこだわらずに泥臭い方法も検討の土台にあげて、効果がでるのであれば積極的に実行する姿勢にも深く共感しました。

最後に

根本的な大事にしているものについては前田さんとは大きく違うところがあると感じながらも、考え方や事業に対する姿勢については非常に共感できる部分が多かったです。今後のSHOWROOMや前田さんの行方に注目しながら、自分自身も価値観と向き合って新しいステージに進みたいと思いました。

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)

 

スタートアップ・ベンチャー企業の取締役になると給料はいくらか

僕自身が総合商社に勤めていたことから、大企業からスタートアップ・ベンチャー企業への転職を考えている人の相談を受けることがあります。その中で実際に給料はどのぐらい貰えるのか、アップサイドはどれだけ見込めるのかという話になることは少なくありません。今までは感覚値で何となく回答していましたが、しっかりとデータにもとづいて答えられるように上場したスタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料を調べてみました。 

調査の対象と方法

・2013年〜2016年末までに上場したネット系企業48社が対象

・直近発表のあった有価証券報告書から取締役の給与および人数から1人あたりの給与を算出

 

調査対象企業は下記の通り

キャリアインデックス、エルテス 、アイモバイル、ユーザベース、アトラエ、グローバルウェイ、エボラブルアジア、アカツキ、バリューゴルフ、はてな、マイネット、AppBank、ピクスタ、メタップス、イトクロ、アイリッジ、富士山マガジンサービス、マーケットエンタープライズ、ジグソー、Gunosy、レントラックス、Aiming、イード、ALBERT、ファーストロジック、オウチーノ、ブイキューブ、ホットリンク、アライドアーキテクツ、じげん、フォトクリエイト、オークファン、オルトプラス、オイシックス、カヤック、データセクション、サイジニア、gumi、クラウドワークス、弁護士ドットコム、SHIFT、リアルワールド、ロックオン、イグニス、VOYAGE GROUP、メドピア、レアジョブ、フリークアウト

 

スタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料は大体1500万円

 結論から言ってしまうと、スタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料は大体1500万円が相場になります。データだけでなく僕自身が知り合いのベンチャー企業の取締役から聞いてる給与も大体このような水準です。

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取締役の給与の平均値は1670万円、中央値は1557万円

取締役1人当たりの給与の平均値は1670万円、中央値は1557万円となりました。1人当たりの給与が最も高かったのはアイモバイルで5031万円でした。最も低い給与はイグニスの408万円で、これは全従業員の平均よりも低い金額となっています。

 

取締役の人数は半分以上の会社が3名

なお、取締役の人数は3名の会社が半分以上と大半を占めています。

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スタートアップ・ベンチャー企業のおおよその給与体系

在籍するほどゆるやかに給与が上がっていくメンバーシップ型の大企業とは異なりスタートアップ、ベンチャー企業の給与体系はジョブ型の給与体系となっており、ポジションが上がれば給与があがる体系となっており、ポジションごとにおおよそ下記のような給与体系になっていることが多いです。

 

取締役:1500万円〜

執行役員:1000万円〜1500万円

事業部長クラス:800万円〜1000万円

マネージャー:600万円〜800万円

メンバー:〜600万円

 

---追記---

NewsPicksおよびTwitterでも指摘があったので追記すると、上場しているもしくは上場目指して既に大規模な調達が完了している段階のスタートアップ・ベンチャー企業の給与水準になります。一方でその手前のスタートアップ・ベンチャー企業でこの給与より低い給与で働いている場合は給与アップのチャンスともいえます

---追記終わり---

 

ポジションが上にいけば単純に給与が上がるわかりやすい形式で外資系企業に近い給与体系を取っている会社が多いと考えられます。雇用の流動性が高いので、あるベンチャー企業で執行役員として1000万円の給与をもらっている人であれば、同じような企業に1000万円で転職することは比較的容易です。一方で入社前に与えられたミッションをこなせない場合や評価が高くない場合には給与減額や降格されてしまうこともあるので、会社を去るという決断をする人も少なくありません。

 

大企業からスタートアップ企業への転職のメリット

ここまで見てきたとおり、平均年収が1000万円を超えるような大企業に勤めている場合、スタートアップ・ベンチャー企業に転職しても金銭的メリットはそこまで大きくありません。ストックオプションについてもあまり期待できないのは過去のブログで書いたとおりです。従業員として入社するのであれば、ストックオプションが実現したとしても下がった給与の補填ぐらいの意味しかないのが現実です。

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金銭的メリットはあまり大きくありませんが、雇用の流動性が高いのは人によっては大きなメリットになると考えています。僕自身は縛られるものが少なく「自由」に生きていくことを非常に重視しています。「自由」を重視する人にとっては自分に実力があれば、同水準の給与で転職することができるジョブ型の環境は、常に自分にとっていい環境を探すことができるよい環境といえます。日系大企業に就職したものの、先が見えすぎて自分自身の将来をつまらなく感じてしまったり、自分の市場価値も上がらなそうで会社にしがみつくインセンティブが大きくなっていると感じる人にとってはジョブ型の外資系企業やベンチャー企業に飛び込むのは金銭的なデメリットを差し引いても大きなメリットが得られるかもしれません。

起業するだけでなく転職する上でも自分が人生において何を重視しているのかということに真摯に向き合うことが大事だといえます。

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最後に

大企業からスタートアップ・ベンチャー企業への転職というと後悔していない人の話ばかりWeb上では共有されがちですが、その場の勢いで転職してしまい、実際には自分の志向性には合っておらず後悔する人もいます。スタートアップ・ベンチャー企業における給与およびストックオプションによる金銭的リターンの期待値についてしっかり把握した上で、自分が人生で何を重視しているのかと真摯に向き合った上で決断するようにしてほしいと思っています。