ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

「人生の勝算」書評、価値観の違うDeNA前田さんに共感したところ

DeNAの前田さんは僕らが起業してもがき苦しんでいた2014年にはDeNA創業者の南場智子が口説き落とした男、外資系金融からの華麗なる転身などのキーワードで、既にこのような記事が出回るなど、僕らとは違いかなり注目されていたのを覚えています。(もがき苦しんでる最中だったため、軽く嫉妬したような気がします笑)

careerhack.en-japan.com

そんな前田さんが初の著書を出版するということで手にとって読んでみたので、その感想というか共感したところを整理しておきたいと思います。 

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)

 

考え方が全然違うなと感じた部分

最初に前田さんと考え方が全然違うと感じた点について書きたいと思います。根本的な本質部分はだいぶ違う価値観を持ってるのかもしれないなーと思っています。

違う点①人生を仕事に一極集中で注ぎたいかどうか

前田さんは常に目の前のことに全力で全てのエネルギーを注ぐタイプのように感じました。例えば、外資系投資銀行で働いている時のエピソードでこんなものがあります。

僕は、入社以来、早朝出社を続けました。僕が会社に着くのは朝の4時半〜5時頃でした。

(中略)

新卒1年目の睡眠時間は2〜3時間だったと思います。起きている時間はすべて仕事に費やしている状態でした。とにかく持っているエネルギーを全部、仕事に注ごうと決めました。前の夜、どんなに遅くまで働いていても絶対に朝5時にはデスクにいる。それも手伝ってか、仕事の成績が出る前から、先輩方から面白上がってもらえていたと思います。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕も新入社員の頃や起業したばかりの頃はこういったライフスタイルや働き方に憧れた時期もありましたが、一方で自分にはできないなと思っています。特に子供が生まれてからは自分の全てを仕事にだけ注ぎ込む人生は違うと感じてきています。仕事、家庭、趣味などの交友関係のバランスを保ちたいと考えるようになりました。というよりこれだけ仕事に注ぎ込める人の方が少ないし、こうした人しか成功できないのであれば起業を志す人が減ってしまうとも感じています。

仕事も家庭もバランス良く成果を追求して満足した生活をしたいというのが今の僕の正直な気持ちです。

違う点②人生に対する焦り

仕事に時間をどれだけ注ぎたいのかにも直結する問題ではあると思いますが、本を読んでいて全体的に前田さんの「焦り」を強く感じました。実際に文中にもこのような記述があります。

常に、焦っています。お前は、いつも何かに追われているようだ、とも言われます。ここまで、仕事における成果と、その裏側にあったエッセンスの話をたくさんしてきましたが、僕自身、UBS時代を含め、大きな仕事をいくつかする中で、心から満足できたことは一度もないです。

僕自身は特に売却してからはもう少し人生に対してのんびり構えています。もちろん焦りはありますし、早めに結果を出したい気持ちもある一方で、「人生自体はたぶん何とかなるからどの分野に注力するか、自分が楽しいと感じる分野と稼げる分野を中長期的に一致させよう」という気持ちが今は強いです。その意味では焦って何かを考えるよりはじっくりと人生を見つめ直す時期なのかと思っています。

対象的な価値観を持っていると思う前田さんですが、共感するところも非常に多く、本書は楽しんで読めました。ここから本題の共感したところについて書いていきたいと思います。

自分の価値観の深掘りが決断する上では重要だということ

前田さんは家族を大事にすると決めたお兄さんに対して、自分は「仕事に狂う」と決めていると本著で書いた上で、人生の指針の重要性について下記のように書いています。

価値観の深掘りおよび言語化ができていない状態で、給料がいいから、休みが多いから、何となく楽そうだから・・・など、表層的に見えている要素でのみ判断した意思決定は、どこかで公開を引き起こす可能性が高いと思っています。

(中略)

幸福の価値観は人それぞれですから、どちらが上も下もありません。最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。

人生の勝算 (NewsPicks)より

 この部分は僕自身も強く共感しており、就職、転職や起業など含めて自分自身の価値観と向かい合うことは良質な決定をする上では非常に大事なことだと感じています。僕としては特に「成功した上で手に入れたいものは何か」ということに着目することが大事だと考えていて下記のようなブログを最近書きました。

blog.zerotoone.jp

僕としては成功したら好きな時に好きな人と好きなことをする「自由」というものに高い価値を感じており、これを手に入れたいというのが起業した一番の理由と言えるかもしれません。この部分が前述の前田さんとの価値観の違いになるかなと思いながら、「自分が大切にしている価値観と向き合うことの重要性」については深く共感しました。

電話営業などの愚直などぶ板営業も厭わない姿勢

インターネット系のスタートアップ企業では電話営業を下に見るというか、電話して案件を取るなんてダサいしやりたくないと考えている人が少なくないようです。いきなり電話するのは知り合いでも失礼なことだということでこんなことがネット上で話題になったりしました。

www.j-cast.com

一方で今を輝くネットサービスを作り上げている前田さんは、電話営業などの泥臭いドブ板営業もいとわないスタイルで提携先を増やしたそうです。

 電話営業も並行して欠かさず行いました。毎日数え切れない数の芸能事務所に、コールドコールを続けました。

(中略)

こうして、徐々に、でも確実に、初期のどぶ板営業戦法が、実を結びました。足と時間を使った地道な営業活動は、一見非効率に見えるかもしれませんが、何も強みを持たない段階においては、むしろ最も必要な作業であると我々は見極めました。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕らも立ち上げ当初からユーザー向けのどぶ板営業も、企業向けのどぶ板営業も両方重視してやってきたように思います。ユーザー向けには地道にセミナーを開催したり大学周りをして認知を高めて、企業向けには担当者の名前も知らない中で、受付の方に丁寧に説明して取り次いでもらうなんてことを地道にやっていました。地道にやることが全てではないけれども、成功したい、成果を出したいのであれば、スマートな方法だけにこだわらずに泥臭い方法も検討の土台にあげて、効果がでるのであれば積極的に実行する姿勢にも深く共感しました。

最後に

根本的な大事にしているものについては前田さんとは大きく違うところがあると感じながらも、考え方や事業に対する姿勢については非常に共感できる部分が多かったです。今後のSHOWROOMや前田さんの行方に注目しながら、自分自身も価値観と向き合って新しいステージに進みたいと思いました。

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)