ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

起業を志すなら「小さなチーム、大きな仕事」は必読、起業はスタートアップだけのものじゃない

僕が好きな本の一つがRuby on Railsの生みの親である37signalsの2人の本であるこの本です。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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起業した1年目〜2年目のうちに読み、納得のいった本の一つで、また次の起業をしようと考えているので再度読み直しました。

今日はこの本で紹介されている内容について自分への戒めも含めてメモ的に残しておこうと思います。

 

会社の規模なんて気にしない

ハーヴァードやオックスフォードを見て、「もっと手を広げ、たくさん姉妹校を作って、何千人もの教授を雇って、グローバル展開して、世界中にキャンパスをオープンしたら、すごい学校になるのに」なんて言うだろうか。もちろん言わない。それが大学の価値を測る方法ではないからだ。ではなぜビジネスでは規模で測られるのだろう。

(中略)

小さなビジネスを目指すことに不安を抱かなくていい、持続的で、利益の出るビジネスを行っていれば、それが大きかろうと小さかろうと誇るべきことなのだ。

起業というとどうしても、起業する人も外野から見てる人も、調達金額や会社の規模に注目してしまいがちだけど、小さなチームでちゃんとした利益をあげることが大事じゃないの?ってことをシンプルに伝えている良著です。起業している人も起業を志している人にもぜひ手に取ってもらいたいと思っています。

ビジネスでは誰もが規模の拡大を志しているように感じるけど、「小さいことは通過点ではなく、目的地でもある」という言葉がこの本にかかれている通り、小さな規模の中で必要十分な利益をあげつづけるのは立派なゴールの一つです。

借金玉さんも事業の規模を拡大せずに社内の人間が満足できるだけの利益を配分できる会社を作った経営者を「勝利者」としています。

実際、十分な利益をあげ、大きな成長余力を有しながら、それでも従業員の数や事業の規模を頑なに拡大しない経営者は存在します。彼らは正に勝利者です。自分の会社の最も居心地の良い大きさを見つけ、後はそれを守っていくフェーズに入った人たちです。規模を志向しなくとも十分な利益が取れて、かつ社内の人間や出資者がみな満足するだけ配分できる会社にのみ許される最高の贅沢です。

new.akind.center

起業したら拡大し続けないといけないと思いこんでる人が多いのですが、適正な規模にとどまり利益を享受し続ける体制を構築するってのは目的の一つになりえます。僕自身も次回の起業も売却を前提にしながら、売却できない場合にはオペレーションがちゃんと回る体制を整えて一つの事業として無茶な拡大戦略を取らずに持ち続けることも選択肢の一つとして持っています。

外部の資金は最終手段 

資金を外部の人間に頼るなら、彼らに応える必要がある。みんなが賛成している間はともかく将来はどうだろう。他人の注文をこなすために自分のビジネスをスタートさせるのか?資金を調達すれば、あなたのビジネスではなくなるだろう。

スタートアップの周辺では、資金を調達することが一つのゴールになっているように感じることがあります。ですが資金調達はあくまで起業を成功に導くための手段に過ぎず、そして他人の資本を入れるということはその分成約も大きくなります。

本書では資金調達は最終手段としてそのデメリットを挙げているを以下のようにあげています。

①コントロールを失う、②良質のビジネスの構築を妨げる、③他人の金は癖になる、④基本的に不利な取引になる、⑤顧客が後回しになる、⑥資金調達に注意をそらされる

資金調達に関しては、何度か紹介しているグロービスの高宮さんの、「VCからのファイナンスは、“悪魔との契約”だ」という言葉が個人的にはしっくりきています。

thefirstpenguin.jp

僕自身がVCからの資金調達を敬遠してしまう理由の一番大きなものが、「コントロールを失う」という部分です。僕は自分の人生をコントロールしたい欲求が強く、そのため仕事も自分が納得できることになるべく時間を割きたいと思って、リスクを受け入れて起業しようとしています。それなのにVCから資金調達をすることで、コントロールを失ってしまうのは本末転倒だと感じてしまいます。一方で、短期間で事業を成長させるためには多額の資本が必要だったりするので、事業内容と目指す方向性によっては資金調達も手段としてはありだと思います。

スタートアップではなく企業をはじめよう

スタートアップは、避けられないこと(すなわち彼らのビジネスが成長して利益を上げ、本物の持続可能なビジネスにならなければならないこと)をできるだけ後回しにしようとする人々によって経営されている。

スタートアップを始めようとすると、最も重要などのように利益をあげるのか、つまり売上と経費のバランスを取るのかという部分を忘れてしまいがちです。とにかくユーザーが集まれば利益は後からついてくるという考えがスタートアップ界隈では多く、成長のためにJカーブを掘るという表現がされたりします。

最初はイノベーターやアーリーアダプターの利用者が徐々に増えるだけなのですが、そこから徐々にマジョリティ層に利用が拡大した時、サービスの普及率が一気に増えます。

それに伴い、最初は売上が立たない時期が続きキャッシュフローもマイナスが続きます。そして普及率が跳ね上がったタイミングで一気にキャッシュフローもついてくるようになります。このモデルの例は、ネットメディアなどです。

この収益モデルの場合、深いJカーブ(キャッシュフローがマイナスとなる長い時期)を支えるためには、VCによるファイナンスが適しています。創業メンバーからの持ち出しや銀行からの借入だと、金額に限度があったり、条件的に調達が難しいためです。 

www.find-job.net

成功した事業であれば確かにJカーブなのですが、失敗している事業だとJカーブを描けずにそのまま一直線に廃業まで進んでしまいます。

僕自身はこういったJカーブを掘らずとも、ユーザーが求めるコンテンツを提供できればストック型で積み上げることができると考えており、初年度から黒字になるように事業準備するのがよいと考えています。大企業のサラリーマンであれば、会社員というローリスク・ローリターンの部分に時間の大半を割きながらも、週末起業的にハイリスク・ハイリターンを目指すというのは人生の安定を享受しながらも、ハイリターンの夢を追うことのできる選択肢だと思っており、おすすめしています。

blog.zerotoone.jp

blog.zerotoone.jp

売却するつもりのビジネスは廃却されることになる

必要なのは、出口戦略ではなく関わっていくための戦略だ。船から逃げ出す方法ではなく、プロジェクトを成長させ、成功させる方法を考えるべきだ。やめることを前提にした戦略では、そもそもチャンスがあっても成功できないだろう。

僕自身は次回の起業もM&A狙いなのでちょっと耳が痛い話でした笑

blog.zerotoone.jp

本書では買収されたいと思って会社を作ると、間違ったことを強調してしまうし、会社を買ってくれる人の方を気にしてしまい、ユーザーの方を見ていない事業になってしまうと指摘しています。

その上、僕が完全にそうなのですが、一度会社を売却した経営者は売却後もすぐに起業して戻ってくるし、2回目の起業は得てして1回目の起業よりもよいサービスにならないと書いています。

実際にその通りだし、僕自身もすぐにゲームに戻ろうとしているので、この本に書いてあるとおりにならないように頑張らないとなと思っています。一方で本書にも書いてある通り、一度成功した起業家の成功確率は、一般的な成功確率よりも高いと言われています。

ハーヴァード・ビジネススクールのある調査によると、一度成功した起業家は次もうんと成功しやすい(次に成功する確率は34%)。しかし最初に失敗した起業家が次に成功する確率は、はじめて起業する人と同じでたったの23%だ。

僕の最初の起業を一応成功と捉えると、2回目の起業も悪くない成果を収められるんじゃないかなーと思っています。 

競合相手が何をしているのかなんて気にしない

結論として、強豪相手に対して注意を向ける価値はあまりない。なぜなら他社について心配することはすぐに強迫観念に変わってしまうからだ。彼らは今何をしているのだろう?彼らは次にどこへ向かうのだろう?僕らはどのように対応したらいいのか?

最近、ブログやTwitterを通じて起業志望の方と話したりするのですが、多くの人がメルカリやUberなど世界を変えるプロダクトを作ろうとするあまり、二の足を踏んでしまっていることが少なくないと感じています。そういった人の多くが事業領域の巨人やイケてるスタートアップを気にしすぎてしまいます。例えば僕は新卒採用を中心とした人材系ビジネスを展開しており、次回も人材系ビジネスをやろうと思っていますが、そうなるとリクルートやWantedlyを必要以上に気にする人が多いように思います。そういった人とは話をする時に、僕の目線はだいぶ低いですよってのを伝えてから話をするようにしています。

僕としては起業する時に、3人で粗利1億円もあれば十分ハッピーな会社になるという話をしています。次に作る会社も数年以内に少人数で粗利1億円、営業利益数千万円レベルの事業を作り、人を投下すると成長できるフェーズになったら売却、調達含めて検討するって感じで今は考えています。粗利1億円を狙うのに必要なのはマーケット選定や競合を気にすることではなく、自分たちが提供できる価値は何なのか、それを求める人はどの程度いて、そのうちどのくらいの人と接点を持てるのかということです。

なので起業志望の人にも、「あなたは何ができるのか」もしくは「何ができるようになりたくて、そのための努力をどの程度つめるのか」ということから考えると事業をフラットに生み出しやすいという感じでアドバイスしています。

最後に

ざっと紹介しましたが、自分の人生をコントロールしたい、そのための手段としてIPOを狙うといった大きな起業ではなく、スモールに起業したいと考えている人にとってこの本は非常に示唆に富んだ内容になっています。また一度起業した人にとっても考えを改めさせられるきっかけになる本だと思いますので興味がでたらぜひ読んでみてください。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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