ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

スタートアップの従業員はストックオプションでいくら貰えるのか

先日、この記事が話題になっていました。

www.fastgrow.jp

非常に面白く読んだ一方で、知り合いでストックオプションもらっている人でもそこまでもらっている人は多くないと思っており、ちょっとスタートアップへの人材紹介業をやっているスローガンさんのポジショントークが強いかもと思って、僕も独自に調べてみました。

 

調査の方法

調査の方法とやり方は下記の通りです。

 

・2017年に上場したスタートアップ8社が調査対象

・調査対象の会社はFringe81、ネットマーケティング、ユーザーローカル、オロ、ビーグリー、うるる、ロコンド、シャノンの8社

・上場時の目論見書の株主の状況から取締役を除く従業員で、持ち株数が公表されている従業員全員が対象

・総株式数については実現していない新株予約権も実現したものとして算出、各従業員の保有株数についても同様

・従業員全員の持株比率、公募価格による持ち分の時価総額、5/23日の終値時点での持ち分の時価総額の平均値と中央値を算出(Fringe81については公募価格が発表されていないので想定価格で算出、時価についてはFringe81を算出から外している)

 

スタートアップの従業員のストックオプションの資産価値中央値は706万円

早速ですが結論として、公募価格時点でのスタートアップの従業員のストックオプションの資産価値の中央値は706万円、平均値で1873万円です。5/23日時点での時価で算出すると、公募価格からは値上がりしてる会社ばかりなので、中央値で871万円、平均値で3596万円です。

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持分比率の中央値は0.09%、平均値は0.22%です。

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冒頭でご紹介したブログとはだいぶ異なる結果となりましたが、実際にはベンチャーの従業員レベルだと1000万円に満たないストックオプションが一般的であるといえます。

 

従業員の序列トップ、会社全体でNo5ぐらいの資産価値の中央値は6230万円

一方で取締役を除く従業員の序列トップ、執行役員や部長の中でも上位のレベルであれば、IPOにより6000万円以上の資産価値を手にいれることができるようです。8社の取締役除く従業員のトップは持分比率の中央値で0.76%、平均値で1.39%という結果となりました。公募時点の資産価値の中央値は6230万円、平均値で1億2206万円となっいます。5/23日時点の時価での資産価値では中央値で7975万円、平均値でなんと2億6173万円となります。

取締役が大体4名程度いることを想定すると、会社のNo.5ぐらいのランクになると1億円の大台が見えてくるということが言えそうです。逆に言えばもしストックオプションで億万長者になりたいのであれば、その会社のNo.5になる必要があるといえます。

 

中央値で706万円のストックオプションは妥当?ストックオプションの考え方

従業員に対するストックオプションの考え方としては、①転職時に給与を下げてくれた差額に対する報酬という考え方と、②経営幹部として会社の成長にコミットした責任に対する報酬という2つの考え方がありそうです。以下はNewsPicksの梅田さんのコメントを抜粋しています。

SOは正解がないだけにスタートアップ経営者が共通して悩むテーマですね。やってみて初めて分かる事が多く、我々も反省点が多いところです。まず、SOを出す時にその目的が「リワード」なのか「ロイヤリティー」なのかをしっかり整理する事が大切だと思います。我々はIPO前にはほぼ全員にSOを入社時期とタイトルのマトリックス表に応じて傾斜配分しましたが、これは転職時に給与を低くして入社してきてくれたメンバーに対してその差額分を補填するための報酬(リワード)が目的でした。そのため、このSOによる会社へのロイヤリティーや報酬以上のコミットは期待せず、低い給与でここまで頑張ってくれて有難う、という一方的な感謝の形としてのSOとして位置づけにしました。そのため、独自の行使条件はつけず、自分の財産としていつでも好きな時に行使して良いよという設計にしました。一方、幹部メンバーの成果は会社の成長により直接的にリンクするので、会社へのロイヤリティー、コミットを高める事を目的としたSOを発行し、これは独自の行使条件をつけました。このタイプのSOは一般論として、最低限サラリーマンでは得られない報酬である事が大切であると思いますので、最終的に3億円〜5億円の報酬を得られる事が設計の一つの目安かと思っています。

出典:上場前ベンチャーでストックオプションをもらえば億万長者になれるのか?

 

多くのスタートアップの平均勤続年数が数年程度と短いことを考えると、従業員全体のストックオプションの中央値が706万円というのは、上記①の転職から給与が下がったことに対する補填としては、無事上場することができれば十分に機能しているといえます。

一方で多くの野心を持った大手企業の社員にとってはかなり物足りない金額と言えるかもしれません。 大企業から転身してストックオプションで億万長者という夢を見るのであれば前述の通り、役員になる気概が必要だといえます。

もちろんストックオプションはもらったものの、上場できない、M&Aではストックオプションを実現化させないなどの理由から実現するストックオプションはそもそもかなり少ないことには留意が必要でしょう。

最後に

僕自身にも大手企業からスタートアップへの転職について実際に検討している知り合いがかなり多くいます。リスクについては給与や生涯賃金という形で見えやすい一方でリターン部分については見えにくいと思い、このような形で調査しました。決断する際の材料の一つとしていただければと思います。