ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

ネット系上場企業から考える創業者の持分比率問題

起業をするにあたって、共同創業者および従業員との間で持分比率をどうすべきか悩んだことのある起業家は少なくないでしょう。そこで今回は2015年および2016年に新規上場した一部のインターネット系企業の上場時の創業者および共同創業者、取締役の持分比率を調べてみました。個人的にも今後の起業の参考にしようと思います。

 

 

調査対象の会社と調査方法

調査対象は2015年および2016年に新規上場したインターネットサービスを営む企業の中で、VCや事業会社が主導で事業を作りあげた会社を除いた16社を対象としました。

 

対象企業一覧

調査方法

上記16社の上場時の株主の状況をⅠの部から抜粋、新株予約権による潜在株式は含めず、顕在化している株式の保有割合を対象としました。その上で創業者の株式の持ち方に応じて下記3種類に分類しました。

 

①創業者専有型

上場時にVC・事業会社からの調達部分を除いた発行済株式数の50%以上を1人の創業者が保有

 

②共同創業型

上場時にVC・事業会社からの調達部分を除いた発行済株式数の50%未満を1人の創業者が保有かつ創業者もしくは共同創業者が株式を最も多く保有

 

③特殊型

創業者および共同創業者以外の個人が最も多く株式を保有

 

 

調査結果:1人の創業者が持ち分の多くを占めるケースが多い

結論として、創業者専有型が12社と最も多く、共同創業型が3社、特殊型が1社という結果になりました。

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それぞれの企業は下記の通りです。

 

 ①創業者専有型

創業者が株式の大半を持つ創業者専有型の企業が12社と大半を占めました。これらの会社の中でもはてな、キャリアインデックスはVC、事業会社から調達をしておらず、イトクロも事業会社がほんの少しだけ保有していただけであったため、大半の株式を創業者が保有していました。

 

②共同創業型

  • ユーザベース
  • ALBERT
  • AppBank

ユーザベースは新野氏、梅田氏、稲垣氏の3名の共同創業体制で、上場時の保有比率も、新野氏26.25%、梅田氏26.25%、稲垣氏9.17%と3名がそれなりの株式を保有しています。

ALBERTはシリアルアントレプレナーの山川氏とアクセンチュア出身の上村氏の2人の共同創業で、上場時の保有比率も山川氏18.79%、上村氏12.41%と近い持分比率でした。ちなみに山川氏はその後、ALBERTに関わるインサイダー取引の疑いで有罪判決を受けています。

 

www.asahi.com

 

AppBankはiPhoneアプリのレビューサイトを開設・運営してきた宮下氏とマックスむらいで有名な村井氏の2人で共同創業しており、上場時の持株比率も宮下氏21.54%、村井氏21.54%となっています。

 

③特殊型

Gunosyは東大の大学院生だった福島氏が創業者兼代表取締役として上場しましたが、株式の大半はエンジェル投資家として参画したシリアルアントレプレナーの木村氏が保有していました。上場時の持分比率も木村氏が41.12%、創業者の福島氏が3.53%、その他の創業メンバーも3%程度といった状況で、スタートアップ界隈で少しだけ物議をかもしました。一方でGunosyについては木村氏の手腕があったからこそ上場までたどり着けたという評価もあり、そのことも考えると木村氏が大半の株式を保有するのもおかしくないという意見もあります。 

 

 

 

Y Combinator的には共同創業者は同じぐらいの持分比率にすべき

シリコンバレー で最強の起業家養成スクールと言われているY Combinatorでは会社の早い段階では特に共同創業者の間では可能な限り平等やほぼイコールになるように持分比率を分けることを推奨しているようです。

 

medium.com

 

blog.ycombinator.com

 

スタートアップ企業を育てるには7年〜10年という期間がかかり、持分比率の高さを共同創業者のモチベーションとなること、共同創業者の持ち分が低いことは創業者が共同創業者を評価していないと捉えられること、スタートアップはアイディアではなく実行に価値があることがその理由としてあげられています。

 

結局、持分比率の最適な割合は各社それぞれの状況によるとしか言えない

直近のネット系上場企業各社の持分比率に加えて、Y Combinatorの考え方を紹介しましたが、結局のところ、持分比率に最適な割合というものは存在せず各社の状況に依存するとしか言えないように思います。事業および会社運営において創業者の役割が大きいのであれば、創業者が多くの株式を保有するのが当然だろうし、そうではなく同程度の役割を担うのであれば共同創業者と限りなく近い株式を保有するのがよいでしょう。

持株比率に関しては不可逆的で、共同創業者間で不満の出やすいトピックでもあるので、考え方を示した上で創業メンバー間でコミュニケーションを取り、納得感を持ちながら会社を運営するのが成功に必要な要素かなと思います。