ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

「やりたいこと」ではなく「成功しそうなこと」で起業しよう

「やりたいこと」ってのは得てして独りよがりであることが少なくありません。起業の相談を受けているとそれってどう考えても、ニーズがなさそうで自分がやりたいことが強すぎるかもと感じることがかなり多いと感じています。

ある種起業というものに神聖さを求める人が多く、純粋な動機でのやりたいことや成し遂げたいことで起業すべきと多くの人が考えすぎているように思います。一方で僕が成功してると思う起業家の多くはやりたいことではなく、成功しそうなこと、もっと言えば儲かりそうなことで起業して成功しています。

 

起業に神聖さを求めて起業へのハードルを勝手に高くしている

僕自身、人材関連で起業をしたので、人材やキャリアについて高い問題意識と愛着を持っていると思われることが多いのですが、特にこの分野が好きでめちゃくちゃやりたかったことというわけではありません。商社の同期と話をするとやっぱり人材関連にめちゃくちゃ興味があったから商社を辞めたんでしょと言われることが多かったのですが、全然そんなことはないのです。うちの父親にも会社を売るという話をした時に、日本の就職活動やキャリアを変えるという高い志を達成するために起業したんじゃないのか?と聞かれて苦笑いするしかなかったこともあります。

僕自身がこの人材領域を選んだ理由というのは、①ある程度就職活動を一生懸命やったので提供できる価値があると思ったこと、②人材業界は参入障壁が低く、Web対応も遅れている印象だったこと、③実際にブログやSNSで想定していた顧客にリーチできたことの3つが主な理由です。詳しくはこちらのブログもお読みください。

 

blog.zerotoone.jp

 

多くの人がリスクを取った起業というのは神聖な行為で、起業というものに動悸の純粋性を求めているように思います。時に起業家はそうした大衆の期待に応えることが会社のためになると考えて、純粋な起業家を演じることが少なくありません。もちろん純粋な起業家もいるのですが、個人的な感覚値としては少数だと思っています。

基本的に起業するような人は、誰かの支配下に置かれたくない、自分の人生に対するコントロール欲求が高く、そのために置かれた状況で最大限成功しそうな選択肢を嗅ぎつけて実行する人が多いように思います。

 

やりたいことでの起業は失敗しやすい

冒頭の通り、自分がやりたいことでの起業は独りよがりなプランが多く、失敗しやすいように思います。子供がケーキが好きだからケーキ屋になりたいと思うのと同じで、顧客に価値を提供するということが頭から抜け落ちて、自分が好きなことをすることに焦点があたりすぎています。「やりたいことで生きていく」というキャッチフレーズが一時期流行りましたが、それに対する違和感は顧客視点が抜け落ちてることにあるのかなと感じています。

当然、顧客視点が欠けたビジネスプランは失敗しやすいです。消費者としての好きと生産者としての好きは大きな溝があるのです。多くの人にとって好きだとかやりたいことというのは消費者としての好きであり、一度生産側に回れば挫折してしまうものでしょう。

 

成功しそうなこととは何か

成功しそうなことは端的に言えば、①自分が得意なこと、②お金を払う確実なニーズがある、③市場が伸びているの3つが重要だと思っています。

 

①自分が得意なこと 

当然ながら自分が得意なこと、出来ることで起業した方が成功確率は高まります。この観点は起業しようと思っている人は持っているのですが、自分のスキルの希少性に気づかない人も少なくありません。自分が当たり前に業務で使っていることの市場価値は外の世界を見てみなければ気づかないのです。僕が所属していた総合商社の先輩が、「自分たちが当たり前にやっていることが海外では価値になる、例えば中国の投資先企業は日本の会計システムや経営マネジメントの手法なんかを結構重宝してくれる」なんて話していました。

日商岩井のメンバー3人が立ち上げた東証二部上場企業であるリスクモンスターという会社も、商社で当たり前に利用できる与信管理システムを全ての企業に提供するということに価値があったりします。自分が得意なこと・提供できることは気付いてないだけで身近にあったりします。

ちなみに三井物産の子会社はクラウドベースで、海外の起業の与信管理が行えるサービスを提供しています。

www.conocer.jp

商社の人に起業の相談を受けることがありますが、僕としては商社の仕事内容の中には起業のヒントになることがたくさんあると思っています。

 

②お金を払う確実なニーズがあること

得意なことで起業すべきってことは多くの人が理解して実践しようとするのですが、お金を払う確実なニーズがあるということについては目がいかない人も少なくありません。ユーザーがたくさん集まれば広告費でなんとかなるだろうと考えて、結局、必要なユーザー数が集まらず死んでいくスタートアップも少なくありません。

このお金を払う確実なニーズがあることの重要性については、Kaizen Platformの須藤さんのこのスライドがわかりやすいです。

 

要するに、「誰の」、「どんな予算を」、「何と比較させて」ひっくり返して自分の立ち上げたサービスを使ってもらうかということが重要だそうです。

僕らが立ち上げた就職活動サイトのunistyleで言えば、「就職活動生の」、「就職関連の予算を」、「就活本と比較して」ひっくり返そうというのが仮説で、有料課金モデルでスタートしました。想定よりも少ないシェアしか取れずに後ほど、無料会員+広告掲載モデルというにピボットしたものの、当初の狙いはかなり明確である程度のマネタイズもできました。

 

③市場が伸びている

やっぱり市場が伸びている領域での起業は成功しやすいです。 市場が伸びているというと、人口が増えているであったり少子高齢化で老人の人口が増えているなど、人口動態といったマクロな視点で考えてしまう人が多いのですがミクロな視点も重要です。

例えば最近話題になったDeNAが買収したMeryは、衰退産業にあると言われていた雑誌の購読者をターゲットを、伸び続けていたスマートフォンのユーザーに取り込むことで成功したと言われています。上記の②に関連しますが、リプレイスの観点に加えて、スマートフォンユーザーという増えていたユーザーをターゲットにしました。

衰退産業と言われていても、上記の雑誌からスマートフォンのようにプラットフォームが転換し、そのプラットフォームの市場が伸びていると大きなビジネスチャンスになります。

  

最後に 

起業するからには成功したほうがいいのは間違いありません。一方で、周囲の動機の神聖さを求める声に応じて、成功しそうなことではなく、やりたいことや周囲に期待されるやるべきことで起業してしまう事例も少なくないように思います。これから起業のプランを考えようと思っている人は参考にしてみてください。