ゼロイチ起業ノート

スタートアップ、スモールビジネスを問わずにゼロイチ起業に挑戦、成功する人を増やすことで日本において起業という選択肢を当たり前にすることが究極的な目標です。

過去のB Dash Campで優勝したスタートアップまとめ

 以前、ランチさせていただき、その後「元商社マン×スタートアップNight」でもご一緒させていただいたサークルインの佐藤さんがB Dash Campのピッチアリーナで優勝しました。おめでとうございます。

thebridge.jp

これはご一緒させていただいたイベントのレポートブログ。

absorbed-in.com

ピッチイベントなんかはスタートアップ周りに興味のある僕自身もよく見ているのですが、過去に優勝した企業がどうなったのかよく覚えてなかったりします。今回はB Dash Campで過去に優勝した企業についてまとめて備忘録として残しておきたいと思います。ちなみに2012年のB Dash Campだけ検索しても見つけられませんでした。ご存知の方はぜひ教えていただけると助かります。

B Dash Camp 2017 Spring in Fukuoka優勝 WAmazing

2017年3月に開催されたB Dash Campのピッチアリーナで優勝したのは訪日観光客向けにタクシー配車、ツアー・アクティビティの予約などを提供するWAmazingです。

jp.techcrunch.com

2017年の優勝なので資金調達やExitなどの目立った動きはありませんが、B Dash Camp優勝後に元mixiの朝倉さんとコロプラの千葉さんがアドバイザーに就任したり、日経産業新聞にて代表の方が連載をスタートさせたり活発に事業を展開していそうです。

info.wamazing.jp

info.wamazing.jp

 

B Dash Camp 2016 Autumn in Sapporo優勝 Simgo

2016年10月に開催されたB Dash Campで優勝したのは、SIMカードを仮想化するソリューションを提供するSimgoです。

jp.techcrunch.com

シンガポールに拠点があるため、なかなか情報が入らないですが、2017年6月には販売代理店と提携し、日本市場に進出しているようです。

thebridge.jp

 

B Dash Camp 2016 Spring Fukuoka優勝 SmartHR(旧社名:KUFU)

2016年3月に開催されたB Dash Campで優勝したのは労務管理のクラウドサービスを運営するSmartHRです。

jp.techcrunch.com

SmartHRはB Dash Camp優勝後の2016年8月に5億円の資金調達を行っています。その後も順調に事業を伸ばし、2017年6月には導入企業が5000社を突破したと発表しています。ざっくり料金プランから月商を換算すると、5000社が3980円/月のSMALLプランを導入しているとしても、5000×3980円で約2000万円/月の売上になります。リリースを見ると、数千人の従業員を抱える企業向けの導入も決まっているとのことなので、もっと売上はたっている可能性もあります。

jp.techcrunch.com

 

 

B Dash Camp 2015 Fall in Kyoto優勝 Repro

2015年9月に開催されたB Dash Campで優勝したのはモバイルアプリの分析・マーケティングツールを提供するReproです。

thebridge.jp

ReproもB Dash Campの半年後の2016年3月に3億円の資金調達を行い、調達したお金で米国進出を行うなど事業展開を加速させています。

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka優勝 ヤマップ

2015年4月に開催されたB Dash Campで優勝したのは山登りの際に役立つ情報を届けるアプリを提供するヤマップです。

thebridge.jp

ヤマップもその後2016年3月に1.7億円の資金調達を行っています。

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2014 Summer優勝 スペースマーケット

2014年7月に開催されたピッチアリーナで優勝したのは会議室やセミナー会場として利用できる物件の空きスペースのマッチングサイトを運営するスペースマーケットです。

jp.techcrunch.com

スペースマーケットも2016年8月に4億円の資金調達を実施しています。ビジネス面では2016年8月の下記の記事ではスペース数が8500箇所とありましたが、2017年8月現在のサイトを見るとスペース数が7800件程度と若干減少しているのはちょっとだけ気になりました。スペース数を闇雲に増やすのではなく、マッチング頻度と稼働率を高める方向に舵を切っていると理解できなくもないですが、重要な指標の一つとかんがえられる登録スペース数の減少は少しだけ気になります。

jp.techcrunch.com

B Dash Camp 2013 Fall in Osaka優勝 KAIZEN Platform

2013年10月開催で優勝したのはWebサイトのUI、UXデザインなどのABテストを提供するKAIZEN Platformです。

japan.cnet.com

jp.techcrunch.com

KAIZEN Platformは2013年のピッチ優勝後、2014年に5億円、2016年に9.5億円の資金調達を行っています。B Dash Campのピッチ優勝企業の中でも巨額の調達を行い、大きく事業を伸ばそうとしているようです。

kaizenplatform.com

jp.techcrunch.com

 

B Dash Camp 2011 Fall in Nagano優勝 ザワット

B Dash Camp2011で優勝したのは当時はWishScopeという「○○が欲しい」「○○を手伝ってほしい」といったお願いをもつユーザー(Wisher)と、それが実現可能なユーザー(Hero)をマッチングさせる個人広告コミュニティを運営していたザワットです。

お知らせ/2011年10月1日 - ザワット株式会社 - Zawatt Inc.

ザワットはその後WishScopeで得たCtoCのノウハウを元にピボットを行い、中古ブランド品に特化したフリマアプリ「スマオク」を2013年から展開し、2017年2月にメルカリに買収されました。買収金額は非公開ですが、直近の資金調達が2.5億円ということから15%の拠出と考えるとバリエーションは16億円なので、ざっくり20億円ぐらいでの買収かなーという印象です。(登記簿謄本みてないので正確なバリエーションではなくざっくり計算です。)

jp.techcrunch.com

今回ご紹介した中では唯一のExit案件となりました。

最後に

基本的にブログ書く前の予想通り、資金調達を行った企業はその後順調に資金調達を行い、事業の拡大を行っていました。一方でB Dash Campの開催から年数がそこまで経過していないこともあり、優勝者の中でIPOもしくはM&AでExitできているのは1件しかなかったのは予想外でした。大きく事業を育てようと赤字を掘っているのであれば全然問題ないのですが、ピッチに優勝したために強気のバリエーションで資金調達を行い、出口が狭まってしまっていると危険だなとも思いました。(小心者並の感想)

いずれにせよ、今回優勝されたサークルインの佐藤さんは僕が個人的な知り合いかつ同じ総合商社出身の起業家という点からも勝手に応援してます!

「人生の勝算」書評、価値観の違うDeNA前田さんに共感したところ

DeNAの前田さんは僕らが起業してもがき苦しんでいた2014年にはDeNA創業者の南場智子が口説き落とした男、外資系金融からの華麗なる転身などのキーワードで、既にこのような記事が出回るなど、僕らとは違いかなり注目されていたのを覚えています。(もがき苦しんでる最中だったため、軽く嫉妬したような気がします笑)

careerhack.en-japan.com

そんな前田さんが初の著書を出版するということで手にとって読んでみたので、その感想というか共感したところを整理しておきたいと思います。 

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)

 

考え方が全然違うなと感じた部分

最初に前田さんと考え方が全然違うと感じた点について書きたいと思います。根本的な本質部分はだいぶ違う価値観を持ってるのかもしれないなーと思っています。

違う点①人生を仕事に一極集中で注ぎたいかどうか

前田さんは常に目の前のことに全力で全てのエネルギーを注ぐタイプのように感じました。例えば、外資系投資銀行で働いている時のエピソードでこんなものがあります。

僕は、入社以来、早朝出社を続けました。僕が会社に着くのは朝の4時半〜5時頃でした。

(中略)

新卒1年目の睡眠時間は2〜3時間だったと思います。起きている時間はすべて仕事に費やしている状態でした。とにかく持っているエネルギーを全部、仕事に注ごうと決めました。前の夜、どんなに遅くまで働いていても絶対に朝5時にはデスクにいる。それも手伝ってか、仕事の成績が出る前から、先輩方から面白上がってもらえていたと思います。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕も新入社員の頃や起業したばかりの頃はこういったライフスタイルや働き方に憧れた時期もありましたが、一方で自分にはできないなと思っています。特に子供が生まれてからは自分の全てを仕事にだけ注ぎ込む人生は違うと感じてきています。仕事、家庭、趣味などの交友関係のバランスを保ちたいと考えるようになりました。というよりこれだけ仕事に注ぎ込める人の方が少ないし、こうした人しか成功できないのであれば起業を志す人が減ってしまうとも感じています。

仕事も家庭もバランス良く成果を追求して満足した生活をしたいというのが今の僕の正直な気持ちです。

違う点②人生に対する焦り

仕事に時間をどれだけ注ぎたいのかにも直結する問題ではあると思いますが、本を読んでいて全体的に前田さんの「焦り」を強く感じました。実際に文中にもこのような記述があります。

常に、焦っています。お前は、いつも何かに追われているようだ、とも言われます。ここまで、仕事における成果と、その裏側にあったエッセンスの話をたくさんしてきましたが、僕自身、UBS時代を含め、大きな仕事をいくつかする中で、心から満足できたことは一度もないです。

僕自身は特に売却してからはもう少し人生に対してのんびり構えています。もちろん焦りはありますし、早めに結果を出したい気持ちもある一方で、「人生自体はたぶん何とかなるからどの分野に注力するか、自分が楽しいと感じる分野と稼げる分野を中長期的に一致させよう」という気持ちが今は強いです。その意味では焦って何かを考えるよりはじっくりと人生を見つめ直す時期なのかと思っています。

対象的な価値観を持っていると思う前田さんですが、共感するところも非常に多く、本書は楽しんで読めました。ここから本題の共感したところについて書いていきたいと思います。

自分の価値観の深掘りが決断する上では重要だということ

前田さんは家族を大事にすると決めたお兄さんに対して、自分は「仕事に狂う」と決めていると本著で書いた上で、人生の指針の重要性について下記のように書いています。

価値観の深掘りおよび言語化ができていない状態で、給料がいいから、休みが多いから、何となく楽そうだから・・・など、表層的に見えている要素でのみ判断した意思決定は、どこかで公開を引き起こす可能性が高いと思っています。

(中略)

幸福の価値観は人それぞれですから、どちらが上も下もありません。最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。

人生の勝算 (NewsPicks)より

 この部分は僕自身も強く共感しており、就職、転職や起業など含めて自分自身の価値観と向かい合うことは良質な決定をする上では非常に大事なことだと感じています。僕としては特に「成功した上で手に入れたいものは何か」ということに着目することが大事だと考えていて下記のようなブログを最近書きました。

blog.zerotoone.jp

僕としては成功したら好きな時に好きな人と好きなことをする「自由」というものに高い価値を感じており、これを手に入れたいというのが起業した一番の理由と言えるかもしれません。この部分が前述の前田さんとの価値観の違いになるかなと思いながら、「自分が大切にしている価値観と向き合うことの重要性」については深く共感しました。

電話営業などの愚直などぶ板営業も厭わない姿勢

インターネット系のスタートアップ企業では電話営業を下に見るというか、電話して案件を取るなんてダサいしやりたくないと考えている人が少なくないようです。いきなり電話するのは知り合いでも失礼なことだということでこんなことがネット上で話題になったりしました。

www.j-cast.com

一方で今を輝くネットサービスを作り上げている前田さんは、電話営業などの泥臭いドブ板営業もいとわないスタイルで提携先を増やしたそうです。

 電話営業も並行して欠かさず行いました。毎日数え切れない数の芸能事務所に、コールドコールを続けました。

(中略)

こうして、徐々に、でも確実に、初期のどぶ板営業戦法が、実を結びました。足と時間を使った地道な営業活動は、一見非効率に見えるかもしれませんが、何も強みを持たない段階においては、むしろ最も必要な作業であると我々は見極めました。

人生の勝算 (NewsPicks)より

僕らも立ち上げ当初からユーザー向けのどぶ板営業も、企業向けのどぶ板営業も両方重視してやってきたように思います。ユーザー向けには地道にセミナーを開催したり大学周りをして認知を高めて、企業向けには担当者の名前も知らない中で、受付の方に丁寧に説明して取り次いでもらうなんてことを地道にやっていました。地道にやることが全てではないけれども、成功したい、成果を出したいのであれば、スマートな方法だけにこだわらずに泥臭い方法も検討の土台にあげて、効果がでるのであれば積極的に実行する姿勢にも深く共感しました。

最後に

根本的な大事にしているものについては前田さんとは大きく違うところがあると感じながらも、考え方や事業に対する姿勢については非常に共感できる部分が多かったです。今後のSHOWROOMや前田さんの行方に注目しながら、自分自身も価値観と向き合って新しいステージに進みたいと思いました。

人生の勝算 (NewsPicks)

人生の勝算 (NewsPicks)

 

スタートアップ・ベンチャー企業の取締役になると給料はいくらか

僕自身が総合商社に勤めていたことから、大企業からスタートアップ・ベンチャー企業への転職を考えている人の相談を受けることがあります。その中で実際に給料はどのぐらい貰えるのか、アップサイドはどれだけ見込めるのかという話になることは少なくありません。今までは感覚値で何となく回答していましたが、しっかりとデータにもとづいて答えられるように上場したスタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料を調べてみました。 

調査の対象と方法

・2013年〜2016年末までに上場したネット系企業48社が対象

・直近発表のあった有価証券報告書から取締役の給与および人数から1人あたりの給与を算出

 

調査対象企業は下記の通り

キャリアインデックス、エルテス 、アイモバイル、ユーザベース、アトラエ、グローバルウェイ、エボラブルアジア、アカツキ、バリューゴルフ、はてな、マイネット、AppBank、ピクスタ、メタップス、イトクロ、アイリッジ、富士山マガジンサービス、マーケットエンタープライズ、ジグソー、Gunosy、レントラックス、Aiming、イード、ALBERT、ファーストロジック、オウチーノ、ブイキューブ、ホットリンク、アライドアーキテクツ、じげん、フォトクリエイト、オークファン、オルトプラス、オイシックス、カヤック、データセクション、サイジニア、gumi、クラウドワークス、弁護士ドットコム、SHIFT、リアルワールド、ロックオン、イグニス、VOYAGE GROUP、メドピア、レアジョブ、フリークアウト

 

スタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料は大体1500万円

 結論から言ってしまうと、スタートアップ・ベンチャー企業の取締役の給料は大体1500万円が相場になります。データだけでなく僕自身が知り合いのベンチャー企業の取締役から聞いてる給与も大体このような水準です。

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取締役の給与の平均値は1670万円、中央値は1557万円

取締役1人当たりの給与の平均値は1670万円、中央値は1557万円となりました。1人当たりの給与が最も高かったのはアイモバイルで5031万円でした。最も低い給与はイグニスの408万円で、これは全従業員の平均よりも低い金額となっています。

 

取締役の人数は半分以上の会社が3名

なお、取締役の人数は3名の会社が半分以上と大半を占めています。

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スタートアップ・ベンチャー企業のおおよその給与体系

在籍するほどゆるやかに給与が上がっていくメンバーシップ型の大企業とは異なりスタートアップ、ベンチャー企業の給与体系はジョブ型の給与体系となっており、ポジションが上がれば給与があがる体系となっており、ポジションごとにおおよそ下記のような給与体系になっていることが多いです。

 

取締役:1500万円〜

執行役員:1000万円〜1500万円

事業部長クラス:800万円〜1000万円

マネージャー:600万円〜800万円

メンバー:〜600万円

 

---追記---

NewsPicksおよびTwitterでも指摘があったので追記すると、上場しているもしくは上場目指して既に大規模な調達が完了している段階のスタートアップ・ベンチャー企業の給与水準になります。一方でその手前のスタートアップ・ベンチャー企業でこの給与より低い給与で働いている場合は給与アップのチャンスともいえます

---追記終わり---

 

ポジションが上にいけば単純に給与が上がるわかりやすい形式で外資系企業に近い給与体系を取っている会社が多いと考えられます。雇用の流動性が高いので、あるベンチャー企業で執行役員として1000万円の給与をもらっている人であれば、同じような企業に1000万円で転職することは比較的容易です。一方で入社前に与えられたミッションをこなせない場合や評価が高くない場合には給与減額や降格されてしまうこともあるので、会社を去るという決断をする人も少なくありません。

 

大企業からスタートアップ企業への転職のメリット

ここまで見てきたとおり、平均年収が1000万円を超えるような大企業に勤めている場合、スタートアップ・ベンチャー企業に転職しても金銭的メリットはそこまで大きくありません。ストックオプションについてもあまり期待できないのは過去のブログで書いたとおりです。従業員として入社するのであれば、ストックオプションが実現したとしても下がった給与の補填ぐらいの意味しかないのが現実です。

blog.zerotoone.jp

金銭的メリットはあまり大きくありませんが、雇用の流動性が高いのは人によっては大きなメリットになると考えています。僕自身は縛られるものが少なく「自由」に生きていくことを非常に重視しています。「自由」を重視する人にとっては自分に実力があれば、同水準の給与で転職することができるジョブ型の環境は、常に自分にとっていい環境を探すことができるよい環境といえます。日系大企業に就職したものの、先が見えすぎて自分自身の将来をつまらなく感じてしまったり、自分の市場価値も上がらなそうで会社にしがみつくインセンティブが大きくなっていると感じる人にとってはジョブ型の外資系企業やベンチャー企業に飛び込むのは金銭的なデメリットを差し引いても大きなメリットが得られるかもしれません。

起業するだけでなく転職する上でも自分が人生において何を重視しているのかということに真摯に向き合うことが大事だといえます。

blog.zerotoone.jp

最後に

大企業からスタートアップ・ベンチャー企業への転職というと後悔していない人の話ばかりWeb上では共有されがちですが、その場の勢いで転職してしまい、実際には自分の志向性には合っておらず後悔する人もいます。スタートアップ・ベンチャー企業における給与およびストックオプションによる金銭的リターンの期待値についてしっかり把握した上で、自分が人生で何を重視しているのかと真摯に向き合った上で決断するようにしてほしいと思っています。

起業に成功して手に入れたいのは夢か金か自由か名誉か

起業して成功することで得られるものとして、大きく分けると夢、お金、自由、名誉の4つが挙げられると考えています。

この4つの中の優先順位を持っておくことは起業の方法や形式、ゴールを考える上で非常に大事なことだと思っています。もちろん起業する前と後で変化することもあるので定期的に向き合うことが大事だと思っています。

最近、ブログやTwitter経由で起業相談を受けていますがこの4つのうちどれが最も手に入れたいものなのかお互い共有できてから話を始めた方がいいと思うことが多かったのでブログとして整理したいと思って書いています。

ビジョンの実現のために起業するだけじゃない

最近のスタートアップの盛り上がりから、夢を重視する起業家しか認めないという風潮が強いように感じますが、一方でビジョンやミッションなんて決まってないけど「起業したいから起業する」って人も少なくありません。僕らも起業したい、その中でできることかつお金を稼げそうな事業領域を選択して起業したというのが僕らの起業の実態です。

「事業プランがない」「アイデアがない」「やりたいことがない」というので悩んじゃう人は多くいるようです。
しかし、起業する上で、事業プランとかアイデアとかはそんなにいらないんじゃないかと思ってます。そもそも、「やりたいこと=起業」というパターンの人は結構いると思うんですよね。

thefirstpenguin.jp

起業する人が日本に比べて多いと言われるアメリカでは、大金を手に入れたい、自分にも出来ると考えて起業する人も少なくないようです。日本に比べてM&Aの件数が多く、より起業の出口を意識しやすい環境が、起業の絶対数の多さを支えているのかもと最近は考えています。

「2007年ってさ、数億円から十数億円でスタートアップ企業が買収されたというニュースがTechCrunchに飛び交うようになった時期なんだだよね。希薄化とか持分とかって話もあるけど、それでも創業者が手にするお金って数億円でしょ? 23歳にしてみたら、それって聞いたことのない大金だった。だから、そういうのを見て、ぼくも『Why not me?』って思ったんだよね」(エドワード・キム氏)

jp.techcrunch.com

ビジョンや夢の実現のための起業でなくてもいいのですが、それじゃあ何を重視して起業という選択肢を取るのかってことは考えた方がいいと思います。それでは起業で得られる4つのものについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

起業で得られる4つと適した起業形態

それでは、夢、お金、自由、名誉のそれぞれについて、適した起業の形態について、主にVCから調達をするべきか、スモールビジネスでもいいのかを考えていきたいと思います。

夢、やりがい、ビジョンの実現

実現したいビジョンやどうしても関わりたい領域があり、自分なりの解決策で起業したい人はこれを最も重視する傾向にあると思います。自分自身の原体験に基づく事業や、専門的な領域で起業する人がここの実現を目標に起業していると思います。最もイメージしやすい起業家像の一つではないでしょうか。

一方で本当は金、自由、名誉など他の項目が大事なのに、見栄えを気にして夢やビジョンを語ってしまいがちな起業家も少なくないので、この項目が一番大事だと思っているなら本当に自分はそうなのか、問いかけることは本当に必要なことだと思います。

 

適していると思われる起業形態

「夢」やビジョンの実現について、短期間で達成したい、アドバイスを受けて大きく育てたいのであれば、経験豊富なVCからの資金調達は一つの有効な手段であるように思います。一方で10年、20年かけても取り組み続けたいと思える分野で、関係のない他者にあれこれ言われたくないのであればVCから調達する必要はなく、スモールビジネスとして地道に成長させた方がよいかもしれません。VCから調達するということはビジョンの達成の妨げになることもあるのでそのことを踏まえた上で、信頼できるキャピタリストと出会えたら投資をうけるというのがいいかもしれません。

金、サラリーマンでは得られないレベルの金銭的成功

起業というと金儲けのためとネガティブなイメージを持っている人も少なくないし、実際に起業で成功することにより、多大な創業者利益を得ることができるのも事実です。

一方で金のために起業しようとすると、世間のネガティブなイメージどおりの金のために誰かを騙すこともいとわない起業家に気づかずに邁進してしまうことがあるので注意が必要です。アフィリエイトプログラムで意味のない情報商材や投資系の情報商材を子飼いのメンバーに販売させる形式の起業などがそれに当たります。

適していると思われる起業形態

お金が一番の目的であればVCからの調達を行うのは合理的な判断であるように思います。なぜならVCも最終的には期限以内にExitすることで投資回収を行う必要があり、短期間である程度の金額がほしいというお互いの利害関係が一致しているからです。ただし、残念なことにお金儲けが目的の起業家に投資したいというVCは皆無なことは注意が必要です。

一方で自分自身の経験や周りの起業家を見ていると、1億円ぐらいのキャッシュインでいいのであればVCからの調達は足かせになるケースもあるかもしれないと思っています。個人の創業者としては1億円のキャッシュインがあればハッピーなケースは少なくありませんが、VCにとっては創業者が1億円のキャッシュインするようなスモールビジネスはVCにとってはありがたくないケースも少なくありません。VCのビジネスモデルとどの程度の規模のビジネスを狙っているのかは下記を読むといいかもしれません。

medium.com

自由、時間・事業への関わり方の自由

サラリーマンが労働契約に基づき給与が支払われるのに対して、起業家・経営者は結果に対して給与が支払われるので、ある程度働き方は自由に決めることができます。もちろん成果に応じて自分の生活が決まるため、強迫観念からワーカホリックに陥ってしまう起業家や個人事業主も少なくありません。自由が欲しかったはずなのに結果に対する強迫観念からいつまでたっても自由になれないケースです。

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適していると思われる起業形態

自由が欲しいのであれば、VCからの投資はせずに自分で事業を営むのがよく、フリーランスなどの個人事業主やスモールビジネスオーナーという選択もありうると思います。VCからの投資を受けるということはその時には身の丈に合わない資金を調達するということであり、その代償として無理な成長およびVCからの一定の支配を受け入れるという契約でもあります。

この志向が強いにも関わらず調達をしてしまうとその自由度の低さに耐えられないケースもあるように思います。

名誉、他者からの賞賛

サラリーマンが一会社の中で黒子的に生きていくことが多いのに対して、成功した起業家・経営者は対外的にも内部的にも賞賛されることが多いでしょう。一方でこの名誉や他社からの賞賛ばかりが目的になり、講演会やセミナーにばかり登壇して事業内容がボロボロな企業も多いように感じています。知り合いの起業家もよく講演会やセミナーに登壇する企業は突き抜けて成功している企業かまったくうまくいってない企業に綺麗にわかれていると話していました。

適していると思われる起業形態

名誉、他者からの賞賛が欲しいケースであれば調達を行い、スタートアップ界隈で認められることで一定の欲求は満たされるかもしれません。これもVCは起業家の名誉欲を満たすために存在しているわけではないので、これが一番の目的だと投資を受けることすら難しいでしょう。

一方で昨今のスタートアップ界隈では、資金調達が一つの目的としてあり、資金調達するためにピッチではどう振る舞うべきか、VCに受けるビジネスモデルは何かを一生懸命探して、投資を受ける起業家も少なくないように感じています。僕としてはあまり好きな形態の起業ではありませんが、周囲の学生起業家を見ていると、最初は資金調達が何となくの目的だったとしても事業を実際に運営して経験するうちにビジネスとして必要な考え方が短期間で身につくケースもあると感じています。

未熟な起業家の僕が重視するのは自由とお金

未熟な起業家である僕がこの4つの優先順位を考えると、①自由>②お金>>>>③夢>>>>>>>>>>>④名誉の順番になります。

僕としては自分の人生をコントロールすることができる「自由」というものが最も強い価値観としてあり、本当に自由になるためには金銭的に自由になることも必要だと思うため、「お金」も大事な要素の一つになります。

夢や実現したいビジョンについては、①と②の次に重要なものですが、今の自分は実現したいビジョンに出会えているわけではありません。そもそもの考え方として、多くの偉大な起業家も最初から偉大なビジョンがあったわけではなく、事業が大きく成功する中で偉大なビジョンが明確になったのだと思っています。マーク・ザッカーバーグですら、最初からfacebookの偉大なビジョンを持って起業したわけではなく、facebookが成功するに従って偉大なビジョンに出会ったと言われています。

僕の現状は、壮大なビジョンを語る段階ではなく、小さな実行と成功を繰り返し、ビジョンに出会うまでのプロセスを楽しむ段階だと捉えています。小さな実行と成功を繰り返す上で、僕としては①自由と②お金が手に入ることはモチベーションの源泉になると感じています。

ちなみに僕は名誉についてはこの4つの中で最も軽視しています。なのでこれまで大きくメディアに掲載されることも、自分の事業に繋がらない講演会・セミナーなどに積極的に参加することはありませんでした。スタートアップ関連メディアに取り上げてもらいたいという気持ちはゼロではないので、まったくいらないというわけではなさそうですが笑

最後に

何か大事な決断する時には「判断軸と価値基準」をはっきりさせることを僕自身は重視しています。起業というリスキーな選択をする前に、自分が起業することによって得たいものは何なのかということによく向き合う必要があるなと思います。

就職も転職も起業も、キャリアの大きな選択という意味では一緒ですが、その時にどのような判断軸を持っていたのかクリアにすることは、選択後の行動をクリアにしてくれます。起業というキャリアの中で重要な選択をする上で、リスクを受け入れてどのようなリターンを得たいのか真摯に向き合うべきだと考えています。

*1:※平日昼間に共同創業者と飲みにいった時の写真

起業を志すなら「小さなチーム、大きな仕事」は必読、起業はスタートアップだけのものじゃない

僕が好きな本の一つがRuby on Railsの生みの親である37signalsの2人の本であるこの本です。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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起業した1年目〜2年目のうちに読み、納得のいった本の一つで、また次の起業をしようと考えているので再度読み直しました。

今日はこの本で紹介されている内容について自分への戒めも含めてメモ的に残しておこうと思います。

 

会社の規模なんて気にしない

ハーヴァードやオックスフォードを見て、「もっと手を広げ、たくさん姉妹校を作って、何千人もの教授を雇って、グローバル展開して、世界中にキャンパスをオープンしたら、すごい学校になるのに」なんて言うだろうか。もちろん言わない。それが大学の価値を測る方法ではないからだ。ではなぜビジネスでは規模で測られるのだろう。

(中略)

小さなビジネスを目指すことに不安を抱かなくていい、持続的で、利益の出るビジネスを行っていれば、それが大きかろうと小さかろうと誇るべきことなのだ。

起業というとどうしても、起業する人も外野から見てる人も、調達金額や会社の規模に注目してしまいがちだけど、小さなチームでちゃんとした利益をあげることが大事じゃないの?ってことをシンプルに伝えている良著です。起業している人も起業を志している人にもぜひ手に取ってもらいたいと思っています。

ビジネスでは誰もが規模の拡大を志しているように感じるけど、「小さいことは通過点ではなく、目的地でもある」という言葉がこの本にかかれている通り、小さな規模の中で必要十分な利益をあげつづけるのは立派なゴールの一つです。

借金玉さんも事業の規模を拡大せずに社内の人間が満足できるだけの利益を配分できる会社を作った経営者を「勝利者」としています。

実際、十分な利益をあげ、大きな成長余力を有しながら、それでも従業員の数や事業の規模を頑なに拡大しない経営者は存在します。彼らは正に勝利者です。自分の会社の最も居心地の良い大きさを見つけ、後はそれを守っていくフェーズに入った人たちです。規模を志向しなくとも十分な利益が取れて、かつ社内の人間や出資者がみな満足するだけ配分できる会社にのみ許される最高の贅沢です。

new.akind.center

起業したら拡大し続けないといけないと思いこんでる人が多いのですが、適正な規模にとどまり利益を享受し続ける体制を構築するってのは目的の一つになりえます。僕自身も次回の起業も売却を前提にしながら、売却できない場合にはオペレーションがちゃんと回る体制を整えて一つの事業として無茶な拡大戦略を取らずに持ち続けることも選択肢の一つとして持っています。

外部の資金は最終手段 

資金を外部の人間に頼るなら、彼らに応える必要がある。みんなが賛成している間はともかく将来はどうだろう。他人の注文をこなすために自分のビジネスをスタートさせるのか?資金を調達すれば、あなたのビジネスではなくなるだろう。

スタートアップの周辺では、資金を調達することが一つのゴールになっているように感じることがあります。ですが資金調達はあくまで起業を成功に導くための手段に過ぎず、そして他人の資本を入れるということはその分成約も大きくなります。

本書では資金調達は最終手段としてそのデメリットを挙げているを以下のようにあげています。

①コントロールを失う、②良質のビジネスの構築を妨げる、③他人の金は癖になる、④基本的に不利な取引になる、⑤顧客が後回しになる、⑥資金調達に注意をそらされる

資金調達に関しては、何度か紹介しているグロービスの高宮さんの、「VCからのファイナンスは、“悪魔との契約”だ」という言葉が個人的にはしっくりきています。

thefirstpenguin.jp

僕自身がVCからの資金調達を敬遠してしまう理由の一番大きなものが、「コントロールを失う」という部分です。僕は自分の人生をコントロールしたい欲求が強く、そのため仕事も自分が納得できることになるべく時間を割きたいと思って、リスクを受け入れて起業しようとしています。それなのにVCから資金調達をすることで、コントロールを失ってしまうのは本末転倒だと感じてしまいます。一方で、短期間で事業を成長させるためには多額の資本が必要だったりするので、事業内容と目指す方向性によっては資金調達も手段としてはありだと思います。

スタートアップではなく企業をはじめよう

スタートアップは、避けられないこと(すなわち彼らのビジネスが成長して利益を上げ、本物の持続可能なビジネスにならなければならないこと)をできるだけ後回しにしようとする人々によって経営されている。

スタートアップを始めようとすると、最も重要などのように利益をあげるのか、つまり売上と経費のバランスを取るのかという部分を忘れてしまいがちです。とにかくユーザーが集まれば利益は後からついてくるという考えがスタートアップ界隈では多く、成長のためにJカーブを掘るという表現がされたりします。

最初はイノベーターやアーリーアダプターの利用者が徐々に増えるだけなのですが、そこから徐々にマジョリティ層に利用が拡大した時、サービスの普及率が一気に増えます。

それに伴い、最初は売上が立たない時期が続きキャッシュフローもマイナスが続きます。そして普及率が跳ね上がったタイミングで一気にキャッシュフローもついてくるようになります。このモデルの例は、ネットメディアなどです。

この収益モデルの場合、深いJカーブ(キャッシュフローがマイナスとなる長い時期)を支えるためには、VCによるファイナンスが適しています。創業メンバーからの持ち出しや銀行からの借入だと、金額に限度があったり、条件的に調達が難しいためです。 

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成功した事業であれば確かにJカーブなのですが、失敗している事業だとJカーブを描けずにそのまま一直線に廃業まで進んでしまいます。

僕自身はこういったJカーブを掘らずとも、ユーザーが求めるコンテンツを提供できればストック型で積み上げることができると考えており、初年度から黒字になるように事業準備するのがよいと考えています。大企業のサラリーマンであれば、会社員というローリスク・ローリターンの部分に時間の大半を割きながらも、週末起業的にハイリスク・ハイリターンを目指すというのは人生の安定を享受しながらも、ハイリターンの夢を追うことのできる選択肢だと思っており、おすすめしています。

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売却するつもりのビジネスは廃却されることになる

必要なのは、出口戦略ではなく関わっていくための戦略だ。船から逃げ出す方法ではなく、プロジェクトを成長させ、成功させる方法を考えるべきだ。やめることを前提にした戦略では、そもそもチャンスがあっても成功できないだろう。

僕自身は次回の起業もM&A狙いなのでちょっと耳が痛い話でした笑

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本書では買収されたいと思って会社を作ると、間違ったことを強調してしまうし、会社を買ってくれる人の方を気にしてしまい、ユーザーの方を見ていない事業になってしまうと指摘しています。

その上、僕が完全にそうなのですが、一度会社を売却した経営者は売却後もすぐに起業して戻ってくるし、2回目の起業は得てして1回目の起業よりもよいサービスにならないと書いています。

実際にその通りだし、僕自身もすぐにゲームに戻ろうとしているので、この本に書いてあるとおりにならないように頑張らないとなと思っています。一方で本書にも書いてある通り、一度成功した起業家の成功確率は、一般的な成功確率よりも高いと言われています。

ハーヴァード・ビジネススクールのある調査によると、一度成功した起業家は次もうんと成功しやすい(次に成功する確率は34%)。しかし最初に失敗した起業家が次に成功する確率は、はじめて起業する人と同じでたったの23%だ。

僕の最初の起業を一応成功と捉えると、2回目の起業も悪くない成果を収められるんじゃないかなーと思っています。 

競合相手が何をしているのかなんて気にしない

結論として、強豪相手に対して注意を向ける価値はあまりない。なぜなら他社について心配することはすぐに強迫観念に変わってしまうからだ。彼らは今何をしているのだろう?彼らは次にどこへ向かうのだろう?僕らはどのように対応したらいいのか?

最近、ブログやTwitterを通じて起業志望の方と話したりするのですが、多くの人がメルカリやUberなど世界を変えるプロダクトを作ろうとするあまり、二の足を踏んでしまっていることが少なくないと感じています。そういった人の多くが事業領域の巨人やイケてるスタートアップを気にしすぎてしまいます。例えば僕は新卒採用を中心とした人材系ビジネスを展開しており、次回も人材系ビジネスをやろうと思っていますが、そうなるとリクルートやWantedlyを必要以上に気にする人が多いように思います。そういった人とは話をする時に、僕の目線はだいぶ低いですよってのを伝えてから話をするようにしています。

僕としては起業する時に、3人で粗利1億円もあれば十分ハッピーな会社になるという話をしています。次に作る会社も数年以内に少人数で粗利1億円、営業利益数千万円レベルの事業を作り、人を投下すると成長できるフェーズになったら売却、調達含めて検討するって感じで今は考えています。粗利1億円を狙うのに必要なのはマーケット選定や競合を気にすることではなく、自分たちが提供できる価値は何なのか、それを求める人はどの程度いて、そのうちどのくらいの人と接点を持てるのかということです。

なので起業志望の人にも、「あなたは何ができるのか」もしくは「何ができるようになりたくて、そのための努力をどの程度つめるのか」ということから考えると事業をフラットに生み出しやすいという感じでアドバイスしています。

最後に

ざっと紹介しましたが、自分の人生をコントロールしたい、そのための手段としてIPOを狙うといった大きな起業ではなく、スモールに起業したいと考えている人にとってこの本は非常に示唆に富んだ内容になっています。また一度起業した人にとっても考えを改めさせられるきっかけになる本だと思いますので興味がでたらぜひ読んでみてください。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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起業するなら退路は断たずに複数用意しておこう

起業をするだけでなく、何かを始める時に「背水の陣」や「退路を断つ覚悟」を求める人が多いように感じています。しかし僕はリスクを取るなら退路を断つよりも、退路を確保した上で挑戦したほうがプラスになると考えています。過去にはこんなつぶやきをしています。

 

僕はどちらかというとリスク許容度が低めで、小物っぽく物事を考えるので余計にそう思うのかもしれません。僕自身もある程度退路を確保した上で起業して運良く結果が出たなと思うので経験も含めて自分の考えを整理しておきたいと思います。僕の起業についての考え方は下記も参考にしてみてください。

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退路を断つとパフォーマンスは上がるのか?

そもそも「退路を断つとパフォーマンスが上がる」という点について僕は懐疑的です。出るかもわからない火事場の馬鹿力に期待するぐらいなら、追い込まれないでも発揮できる基礎能力を高めた方がいいと思っています。

退路を断ってしまうとうまくいかないときに焦りが生まれます。思った通りに売上が断たない、費用がかさむなど起業すると想定外のことが多く起こります。

成績の出ない営業マンが焦って一発逆転のホームランを狙って、大振りを繰り返し、ヒットが出ずにどツボにはまるというのを見たことがある人は多いのではないでしょうか。中長期的に成果をあげつづける上で大事なのは、日々何を積み重ねるかといえます。焦ってしまうと、大振りになり全く成果が出ないか、短期的な売上を志向してしまい、中長期的な結果が出にくくなります。 

僕としては退路を確保することでサービスに深く向き合うことができ、中長期的に心穏やかにサービスや事業に向き合えるのではないかと思っています。

一方でVCはビジネスモデル上、投資先の起業家に退路を断ってホームランを打つことを求めます。VCは投資先を分散することでポートフォリオを組み、リスクを分散しているため、個々の投資先には全力でホームランを打つことを求めます。VCの人が起業家は退路を断つべきと主張するのはポジショントークであるということを理解しておくことはそのポートフォリオに組み込まれることになる起業家にとって大事なことだと思います。

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僕が確保した退路

失敗しても起業による借金はないし、僕らが起業した2011年はソーシャルゲーム全盛期でDeNAやグリーが絶好調の時期でした。総合商社やコンサル業界の人が多く転職していたこともあり、学歴もあり、ファーストキャリアで総合商社だったので、失敗しても年収600万円くらいでこれらの企業が採用してくれるだろうと考えていました。その時は一旦就職してWeb系の知識を仕入れながら次の起業のために牙を磨けばいいかなーと思っていました。

また半年分くらいの生活費は常に確保していたので会社を畳んでも半年間は転職活動が長引いても生活できるようにしていました。

ちなみに僕の共同創業者はかなり楽観的だったのか、「最悪、松屋で深夜バイトすれば時給高いし生きてはいけるでしょ」って感じでした。(そうは言っても彼も実家が神奈川にあったり、学歴も職歴的にも転職ができそうな感じでした)

退路を確保しリスクとリターンを冷静に踏まえて起業に踏み切るべき

成功している経営者の多くが、退路を断って頑張ったという話をしながらも紐解いてみると、学歴や職歴があって退路が確保されていた、実家がお金持ちでそもそも背水の陣ではなかったなんてケースは少なくないように思います。

nanapiのけんすうさんも退路があった上での起業だったことをほのめかしています。

独身でしたし、実家が東京だったので、実家に戻れば給与もそんなになくてもいけましたし、2年くらいやって失敗しても、勤めていたリクルート社は拾ってくれるんじゃないか、という余裕もありました。

thefirstpenguin.jp

退路があるからこそ心穏やかに、大胆な選択肢を取れるというのが僕が考えていることです。

最後に

退路を断つ、背水の陣ってなんだか謎のパワーを秘めてそうで、手を出したくなるしアドバイスする人も無責任にしてしまいがちです。しかし自分の人生に責任を持てるのは自分だけだし、リスクを取るのであれば冷静にリスクとリターンおよび最悪のケースを想定して行動したほうがよいと思っています。起業を検討している人も、なかなか踏み出せていない人も、退路については十分に用意した上で心穏やかに起業に向き合ってみてほしいと思います。

学生起業はリスクのない美味しい選択肢だと思う理由と実践的なやり方

学生起業と聞くと胡散臭い、意識が高すぎて近寄りがたいなどネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。僕自身、意識があまり高くない大学生活を送ってきたのですが、実際に起業して会社をM&Aで売却できてから自分を振り返ってみると、大学生時代に起業にふれておけばよかったと少し後悔しています。

僕自身の起業に対するスタンスとしてはカネ目当てでもOKだし、こんなサービスがあればユーザーが集まるだろうぐらいの軽い気持ちで起業する人がもっと増えてもいいと思っています。

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今回は起業の中でもリスクがなくリターンは非常に大きい学生起業について、僕が考えていることを整理したいと思います。前段が少し長くなってしまったので、御託はいいから実践的なやり方だけ知りたいという方は「学生起業の強み」もしくは「学生起業のやり方」から読んで下さい。

学生起業がリスクのない美味しい選択肢だと思う理由

結局、「成功すれば大金持ちになれて、失敗しても就職のいいネタになる」ということに尽きます。コストをかけずに起業することが出来る時代なので、借金をせずに低いコストで運営すれば失うお金は限定的です。下記のブログで紹介している7つのことを実践すればリスクはほぼないと言っていいレベルです。

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それに対してリターンは非常に大きく、実際に学生起業で大成功を収めて、数十億円〜数百億円の資産を築いた人もいます。(学生起業で成功した人は後ほど紹介します。)最近は大企業によるスタートアップのM&Aも盛んになってきており、起業した後の出口も広がってきています。

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たとえ学生起業で失敗したとしても真剣に取り組んだ経験は就職の際にはよいネタになります。起業も自立して考えて行動のできる人材を求めていると盛んに発信しており、起業の経験があることは就職の際に大きなプラスになるでしょう。

リスクが限りなく低く、リターンは計り知れないほど大きいとなったら、できない理由はあっても、やらない理由はないよなというのが最近の僕の考えです。

 

やってはいけない学生起業

一方で学生起業というと、Twitterなどで盛んに投資の勧誘をしたり、マルチ商法や情報商材にはまって高額のお金を払いながら黒歴史を量産してしまう人も少なくありません。下記のブログで紹介されてる若人みたいな行動をしてはいけません。

syakkin-dama.hatenablog.com

要するに「肝心のコアバリューは誰か他人が考えたものを代理販売する」というものに手を出してはいけません。投資勧誘もマルチ商法も情報商材も、自分でやることは代理販売することで、商品を作らなくていいから自分でもできるのではないかと思って参入してしまい痛い目を見ます。提供すべき価値、コアバリューを自分で作るつもりがないのにお金欲しさで手軽な方法に飛び乗ってはいけません。ここだけは肝に銘じてほしいと思います。

学生起業の強み

水を差してしまいましたが、ここからは学生起業のいいところを伝えていきます。学生起業の強みは3つだと考えており、①バーンレートが低いこと、②優秀な協力者を集めやすいこと、③副業的に始めるなら社会人よりも時間が取れることの3点です。それぞれ見ていきましょう。

①バーンレートが低いこと 

バーンレートとは毎月どの程度お金を使うのか、その金額のことで、バーンレートが低いというのは企業として毎月使うお金が少ないことを指します。

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先日、この記事でスタートアップ社長の給料について、資金調達する前は20万円〜30万円という話をしました。

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これはあくまで社会人を数年経験した後に起業した場合の給料であり、学生起業の場合は給料が最悪0でも問題ない人も多いのではないでしょうか。0はこまるけど月間のアルバイトと同程度の給料でよいのであれば月間10万円も貰えれば十分でしょう。学生起業はその差額を広告費用であったり、外注費であったり、採用であったりと他の様々な用途に使うことができるため、プロダクトをより早く成長させることができます。

このように学生起業は給料が低くてもOKな場合が多く、社会人が始めるスタートアップに比べてバーンレートが低いことが挙げられます。

②優秀な協力者を集めやすいこと

僕らの会社でも多くの学生アルバイトを採用していますが、優秀な学生は本当に優秀です。学生であればこのような優秀な学生と比較的簡単につながることができ、優秀な協力者を集めやすいのではないでしょうか。直接の友人ではないけれど友人の友人がベンチャー企業でエンジニアとしてインターンしている、マーケティングの知識があるなどたどれば優秀な協力者にたどり着くのではないでしょう。

これが社会人になると、優秀な社員やアルバイトを探そうにも、求人媒体やエージェントを介す必要があり、またお金がかかってしまうことが少なくありません。

③副業的に始めるなら社会人よりも時間が取れること

僕自身としては、起業初年度から黒字化するために最初は副業的にプロダクトの開発を進めていき、いけそうだと思った段階で起業に踏み切ることをオススメしています。

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社会人の場合は勤務時間があるので、勤務前後の時間と土日しか時間をとることができません。一方で大学生であれば既に単位を取り終えていたり授業を調整することで時間を確保出来る人も多いでしょう。自由になる時間はサラリーマンの社会人よりもかなり多く確保できると思います。

 

学生起業のやり方

ここからは実際にそもそもどうやって進めていけばいいのか、どの分野で起業すべきなのか考え方の方向性を示したいと思います。

やるべきことはユーザーが好きになるものを作ること、支出を収入より少なくすること

「起業する」ってなるとすごく大変そうで、ファイナンス関係の知識やら法律関係の知識やら本業以外にも必要な知識が多いと身構えてしまう人も多いのですがそんなことはありません。下記のTweetの通り、やるべきことは多くありません。

こちらはY Combinatorというスタートアップに対する投資を行うベンチャーキャピタルを立ち上げたポール・グラハムという人の名言です。この言葉どおり、やるべきことは人が好きになるものを作って、支出を収入より少なくすればOKです。

会社経営について小難しくファイナンスの知識などをひけらかすタイプの経営者や財務担当社もいますが、基本的に多くの会社にとって必要な知識は家計簿レベルですみます。まずはスタートアップや起業に対する心理的障壁を下げましょう。

プログラミングができないならTECH::CAMPで学ぶべき

今の時代、インターネットは会社を作る上では不可欠といえます。インターネットの必要のないシンプルなサービスを提供するにしても自社サービスを紹介するページは用意した方がよいでしょう。エンジニアを雇うにしても、プログラミング知識があった方がやり取りがスムーズに進みます。最近はスタートアップのCEOがTECH::CAMPで学んだ上でエンジニアの人と起業するケースが僕の周りでも少なくありません。

もし学生起業に興味はあるけれども、プログラミングがまったくできないという場合はTECH::CAMPに通って基本的な知識をみにつけるべきだと思います。価格も社会人は128,000円のところ、学生は半額の64,000円ですみます。

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◆TECH::CAMP学生向け料金

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僕自身は起業してから独学でプログラミングを学びましたが何度も挫折しそうになりました。

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実際にプログラミングスクールに通おうか検討したこともありますが、当時は金額も50万円程度と高額で、信頼できるスクールがないという状況だったため、上記のブログの通り様々な本やサービスを利用して勉強しました。

一方で挫折しそうになったことも少なくなく、聞けば一瞬で解決しそうな問題に3日間悩み続けるといったこともしていました。TECH::CAMPであればスクール形式で通い、卒業生のインターンが常にスクールにいるため、わからないことは聞きながら進めることができます。オンラインコースのみを扱うプログラミングスクールもあり、僕自身も体験してみたことがありますが、やっぱり直接会話し、PCの画面を見せながら習った方が効率がよいと感じます。

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プログラミングスキルは今後のキャリアにとってもマイナスにはならないので、学生起業するのであれば身につけておくべきスキルだと思っています。

起業する分野は趣味・好きなことをどうマネタイズするか考えるのがいいかも

次に起業する分野についてですが、これについては、趣味や好きなことをどうマネタイズするのか考えるのが一番いいかもしれません。

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上記のブログの通り、ビジネスモデルを考える上では、「誰の」、「どんな予算を」、「どうひっくり返すか」考えるのが王道です。自分が好きなことや趣味で、どんなことにお金をかけており、それを自社のサービスでどうひっくり返すのか考えると考えやすいといえます。例えば、ダンスが好きでこれまではダンスのhow to動画をビデオやDVDで購入していたけど、このhow to動画を実際にダンスがうまい知り合いと一緒に撮り、動画としてWebサイト上にアップロードすればいいんじゃないかといった考え方でアイディアを洗練させていくイメージです。

それでも思いつかないならあなたが詳しい分野でメディアを作ろう

もし何もアイディアは思いつかないけど、プロダクトは作りたいし、学生起業もしたいというのであればあなたが詳しいニッチな分野でWebメディアを作ることをオススメします。

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上記ブログでも書きましたが、2017年5月30日に上場したGameWithという会社はゲーム攻略サイトを運営する企業です。このようにWebメディアを運営する企業がうまくいけば上場までしてしまいます。また問題になりましたが、女性ファッションWebメディアmeryも、DeNAに数十億円単位でM&Aされています。

スマートフォンの普及率が高まり、多くの人がインターネットで検索をする時代になったため、Web上のコンテンツが多く求められています。大きな市場については大企業や有名スタートアップが取りにいっていますが、ニッチな分野、ジャンル特化型のWebサイトはまだまだ勝機があるように思います。自分が詳しいことや今後極めていきたい分野のWebメディアを立ち上げるのは、アイディアもそこまで必要なく取り組める分野ではないでしょうか。

学生起業で成功した有名起業家たち

最後に学生起業から上場まで経験した有名起業家の紹介をしたいと思います。

ライブドア堀江貴文さん

学生起業家といえば彼というほど有名な堀江さん。1996年東京大学在学中にライブドアの前身のオン・ザ・エッヂを設立しています。インターネット黎明期にHPの作成、運営管理を行う会社として有名になり大手企業からも受注するなど順調な滑り出しから、2000年に東証マザーズに上場しました。

mixi笠原健治さん

SNSサービスmixiおよびソーシャルゲームのモンスターストライクが有名なmixiの笠原さんも、東京大学在学中の1999年にmixiの前身である有限会社イー・マーキュリーを設立しました。当初は求人情報サイトのFind Job!がメインの会社でしたが、2004年にSNSサービスのmixiを開設しました。

リブセンス村上太一さん

史上最年少で上場した経験のあるリブセンス村上さんも早稲田大学在学中に起業しています。早稲田大学1年生の時に大学の「ベンチャー起業家養成基礎講座」が実施したビジネスプランコンテストで優勝し、同大学のインキュベーションオフィスからスタートしています。

Gunosy福島良典さん

ニュースアプリGunosyの福島さんも東京大学在学中の2012年にGunosyを立ち上げ、社長に就任しています。その後、有名起業家兼投資家の木村新司さんが経営に参画することで一気にマネタイズが進み、会社設立からわずか3年で上場してしまいました。

メタップス佐藤航陽さん

インターネットサービスを幅広く展開するメタップスの佐藤さんも早稲田大学在学中にメタップスの前身であるイーファクターを設立しています。

最後に

ここまで学生起業について、選択肢として美味しい理由から実際に学生起業をやるとしたらどうするのかまでまとめてきました。大きなお金をかけずに学生起業をすれば、たとえ失敗したとしてもその経験は就職活動だけでなく大きなプラスになると思っています。これを読んで一人でも多くの人がチャレンジしてくれればうれしいです。